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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
外伝〜碧の御子と大魔導師の邂逅〜
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として異性に恋をし、そしてその恋が叶った事で、”死への恐怖”と同時に”生への執着心”がようやく芽生えたのでしょうね…………)」
ゲルドが崩れ落ちて泣き始めたその時、ゲルドの傍に落ちていたゲルドの杖が淡い光を放った後ローブ姿で杖を持った男性の姿をした霊体がゲルドの背後に現れ、自分の登場に気付かず声を押し殺して泣き続けているゲルドを辛そうな表情で見つめていた。
(……”大魔導師”と称えられた男が情けないですね……かつてゲルドが己の魂を自身の杖に宿したように、私自身の魂をゲルドの杖に宿す事ができても、結局私達の世界を救った優しき少女の悲しき運命を救う方法が思いつかないのですから………………――――待てよ。ゲルドの運命を改変した”彼女”ならば……!この手段だけは正直取りたくありませんでしたが、ゲルドを救う為には手段を選んでいられませんね。)
泣き続けているゲルドを身体を震わせて無念そうな表情で見つめていた男性はある事を思いつき、決意の表情になった後転移魔術でその場から消えた。
同日、21:50―――――
〜クロスベル帝国・帝都クロスベル・特務支援課〜
「……………………」
”六銃士”によって建国され、メンフィルと共に2大国に戦争を仕掛けた事で広大な領地を手に入れて大国へと成り上がったクロスベル。かつて”六銃士”のヴァイスとアルが所属していた”特務支援課”のビルの屋上でロイド達”特務支援課”と共に”真・煌魔城”に突入する事になっているロイド達の”協力者”の一人である未来のキーアは一人静かな表情で夜景を見つめていた。
「…………――――そろそろ来る頃だと思っていたよ、ミッシェル。」
夜景を見つめていたキーアが静かな口調で呟いて背後へと振り向くと、ゲルドの杖から現れた男性の霊体がキーアを見つめていた。
「私の事もご存知でしたか。まあ今から10年後の存在である貴女なら知っていてもおかしく―――いえ、”ゲルドの杖に自身の魂を残せる程の魔力を残させた私に死後自身の魂をゲルドの杖に宿し、並行世界の貴女の”奇蹟”によって魂が消滅したはずのゲルドを蘇らせ、私が宿ったゲルドの杖と共にゼムリア大陸に現させる因果へと改変したのですから、ゲルドの決意を知った私がゲルドを救う為に貴女を尋ねて来るのも
識
(
し
)
っていた”のですから、これも貴女が改変した”因果”の通りと言った所ですか。」
「……………………”今のキーア”がミッシェルと会うのはこれが”初めて”だよ。―――初めまして、ミッシェル。キーアの名前はキーア・バニングス。キーアはイーリュン教の司祭の一人を務めているよ。」
霊体の男性の推測に対しキーアは反論する事なく、静かな表情で男性を見つめた後やがて口を開き、軽い自己紹介をした。
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