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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第224話
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た。



「イレーナ君の最後を知り……そしてイレーナ君が死ぬ原因となってしまった”百日戦役”の”真実”―――”ハーメルの悲劇”を知ったオズボーンは帝国政府に怒りを感じると共に、イレーナ君のような犠牲者を2度と出さぬ為に軍を退役し、政治の道を目指したのじゃ。―――幼い君をシュバルツァー男爵に託す為にユミルの雪山に捨ててな。」

「!!という事は父さんと母さんは俺の両親の事も知っているのですか!?」

「うむ。そして肝心の君を捨てた理由じゃが……魑魅魍魎が住まう政治の世界に踏み込むオズボーンは自身の”敵”によって君に危害が加えられる事を心配し、帝国貴族の中でも権力に興味がなく、民を、家族を大切にし、そして”百日戦役”によってエレボニアをも超える強国メンフィルの加護を受けられる事になったシュバルツァー男爵に君を託す事にし、男爵夫妻に事情を説明した後君をユミルの雪山に捨てたのじゃ。――――君がシュバルツァー家で幸せに生きる事を願ってな。」

ヴァンダイク学院長の昔話を聞いたリィンの脳裏にふと幼い頃の出来事が思い浮かんだ。



”リィン”……どうか健やかに育ってくれ。……女神よ……願わくばこの子だけは――――――



「………………ぁ………………」

自分をユミルの雪山に捨てた人物の顔――――オズボーンに似た男性の顔を思い出したリィンは呆けた声を出した。

「……帝国政府で働き始めたオズボーンは次々と実績を叩き出し、僅か1年で”宰相”に就任した。じゃが政治の裏に潜む”闇”に浸かりすぎた事や平民である奴が”宰相”に成り上がった事を嫌う貴族達と敵対し続けた影響なのか、あの馬鹿は目的の為に多くの人々を不幸にし、周りの人々どころか自分すらも”駒”と見立てて利用する事で自分の立場を強くする事をし始めた。あれだけ大切にしていたイレーナ君との間にできた自分の息子であるリィン君まで利用する話を聞いた時は、あの馬鹿はもう”後戻りできない所まで墜ちた”と思ったわい……」

リィンの様子に気付いていたヴァンダイク学院長は話を続け、重々しい様子を纏って呟いた。

「……………………」

「……すまぬ、リィン君。どんな理由であろうと親が子を捨てる等あってはならぬ事。儂がオズボーンが幼い君を捨てる事を止めていれば………いや、もっとあの馬鹿を見ていればこのような事にはならなかったかもしれぬし、君に長年辛い思いを抱かせる事も無かったかもしれぬ。」

語り終えたヴァンダイク学院長はリィンを見つめて頭を深く下げた。



「……頭を上げて下さい、学院長。確かに俺は自分が捨て子であり、そんな俺を育ててくれた父さん達に申し訳ない気持ちがあったのは確かですが………同時に父さん達―――シュバルツァー家に出会えて本当に幸せだと今でも思ってい
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