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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第221話
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そしてその子を産んでその子の母親になれる……それだけで私は幸せよ。」

一瞬寂しげな笑みを浮かべたクロチルダはすぐに今まで誰にも見せた事のないような優しげな微笑みを浮かべた。

「どうしてそこまで俺の事を…………」

クロチルダの答えを聞いたリィンは呆然とした様子でクロチルダを見つめた。



「フフッ、大切な妹を誘拐した私を助ける為に色々動いてくれた事に心を打たれてね……そしてクロウだけでなく私まで仲間にする為に繰り広げたエリゼとの激闘…………あの戦いを見て、エレボニア存亡会議で私の命を救ってくれた事で芽生えた君への思いが更に大きくなって、私は完全に君の虜になってしまったわ。」

「クロチルダさん…………」

「君に恋をすると共に自分を恥じたわ……大切な家族を誘拐した憎き敵の命を救う為にあそこましてくれた優しい君やエマ達を結社の”幻焔計画”の為に利用した事をね…………―――だから私には幸せになる権利なんてないわ。」

「………………確かにクロチルダさんは罪を犯しました。ですがだからと言って犯罪者にも幸せになる権利がないなんて事はありえません。」

「え…………」

寂しげな笑みを浮かべていたクロチルダはリィンの言葉を聞くと呆けた表情をした。



「―――ヨシュアさんにレオンハルト教官。二人は”結社”の”執行者”でしたが、それぞれ幸せに生きています。」

「……あの二人は”ハーメル”の件がある上、”漆黒の牙”は”教授”の操り人形のようなものだったからむしろ幸せになるべき存在よ。自分の欲の為に禁忌を破って里を飛び出して”結社”に身を置いた私とは違うわ。」

「――では、シャロンさんはどうですか?」

「それは………………って、まさか”死線”が自分の過去を君に話したの!?」

かつてのシャロンを思い出したクロチルダは黙り込んだがある事に気付き、血相を変えた。



「いえ。シャロンさんがイリーナ会長にヘッドハンティングされた話くらいしかしりませんし、シャロンさんの過去は俺が聞くより先にアリサが聞くべきですから聞くつもりはありません。―――ですが、俺には”ラインフォルト家”のメイドとして働く事やイリーナ会長やアリサに仕える事が”今のシャロンさんにとっての幸せ”です。」

「……………………」

「それに……その、テロリストであったスカーレットも罪を償って俺の所に戻って来た時、彼女も幸せにするつもりです。」

「ええっ!?スカーレットって、まさか”帝国解放戦線”の!?まさか彼女も惚れさせたの!?」

リィンの口から出た予想外の人物の名前を聞いて驚いたクロチルダは信じられない表情でリィンを見つめた。



「え、えっと……色々と複雑な事情がありまして。それと…………―――
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