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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第233話 気になる瞳
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る可能性が高い。元々仲間内のギルド長であり、この手の情報には 精通している所もあるのだから。
戦っていない《シノン》と《エギル》だろう。エギルに関しては
現実世界
(
リアル
)
と
仮想世界
(
ALO
)
での店関係が少々忙しい時期、と言う事もあって、知ってはいても参加していない可能性がクラインと違って高いから。
つまり、いつものメンバーの7割が敗れてしまっている、と言う事になるのだ。レイナの事やキリトの事の方が大きいと思うが、それが要因の1つに上がっていても、決して不思議ではない。
「ふぅ………」
リュウキは、軽く首を回しつつ、ゆっくりと歩を進めた。
それは、覚悟を決めた男の顔―――とは違った。
ランも、リュウキと同じ速度で歩み寄ると、ある程度近づいた所で双方ともに、足を止めた。
「……あはは、お兄さんはとても人気があるみたいですね?」
「オレとしては、あまり、好ましくは無いんだがな」
ランの言葉に、苦笑いをしつつ返すのはリュウキ。
その顔は、苦笑いをしている顔、ではない。本当に、心から楽しそうな、目の奥が輝いているかの様な、そんな顔だった。
彼とパーティーを組んだり、よく行動を共にしている者じゃないと、お目にかかれない様な、そんな顔だった。
そう、つまり リュウキの中のゲーマーとしての喜び、気概、そして、プライド。様々な感情が入り交じり、今の表情が出来上がっている様だ。
目の前にいるのは、《剣聖》とまで謳われている程のプレイヤー。状況的に、ALO自体は初心者である筈だというのに、相方の《絶剣》と共に、ALOの
熟練者
(
ベテラン
)
達を立て続けに屠り、更には
達人
(
マスター
)
クラスのプレイヤー達まで倒してのけた程の実力者。
――ここまで、気が昂ったのは久方ぶりだ。
自然と《目》に力が入ってしまうのも無理はなかった。
相対するランは、そんなリュウキの目をじっ……と見つめた。
数秒――見つめた所で、ランは目を瞑った。
『――本当に楽しそうな目をしてるんです。仕草は、クールっ(笑)っぽいんですけど、その目だけは、どうしても誤魔化しきれないみたいなんですよー』
頭に過ぎる
彼女
(
・・
)
言葉。
なぜ、今その言葉が頭の中に過ぎるのか。なぜ、
彼女
(
・・
)
の顔が瞼に浮かび上がるのか。ランにはそれが判らなかった。
ただ、判るのは――彼の目を見た時から、だという事。
「……お兄さんは、ルールはどうしますか?」
ランは、目を閉じたまま、そう聞き ゆっくりと目を開けた。
判らない事を考え続けても、意味はないから。まずする事は1つ。――ぶつかってみて、判る事だってあるから、思いっきり、ぶつかるだけだと言う事。
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