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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第8話
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した顔を俯かせてロイドから走り去って行き

「……………」

一方ロイドは口付けをされた頬を手で押さえ、放心していた。



「クスクス♪まさか出向初日の晩にこんな急展開になるなんて、レンも予想できなかったわ♪うふふ、エリィお姉さんがあんな大胆な行動に出たのもレンが支援課に来たお陰なのだからレンに感謝してよね、ロイドお兄さん♪」

するとその時扉からからかいの表情のレンが現れてロイドに近づいた。

「レ、レン!?い、一体いつから見ていたんだ!?」

「うふふ、ロイドお兄さんがエリィお姉さんの部屋を訪ねてエリィお姉さんがいない事を確認した後どこかに行った様子に気づいた後、監視カメラでエリィお姉さんが屋上で一人で物思いにふけている所を確認した時からだから最初からになるわね♪」

「か、監視カメラ!?…………あ。」

レンの口から語られた驚愕の事実に驚いたロイドは周囲を見回した後扉の上に設置されてある監視カメラらしきものを見つけると呆けた。

「ま、まさか課長に報告をして解散した後に設置したのか……?」

「ええ♪――あ、最初に言っておくけど何も二人のラブシーンを録る為にわざわざ設置した訳じゃないわよ?”特務支援課”は下っ端相手とはいえ既に”ルバーチェ”に2度も喧嘩を売っているから、防犯の為にレンが自腹を切って”善意”で設置しただけなんだからね?」

「ラ、ラブシーンって……あ、あのなぁ……そういうのじゃないってわかっていて、からかうなんて趣味が悪すぎるぞ………」

レンの説明を聞いたロイドは脱力した後疲れた表情で指摘した。



「エリィお姉さんも不憫ねぇ………自分の気持ちをロイドお兄さんに知って貰うために頬とは言え、勇気を出してキスまでしたのに、自分の気持ちが全然伝わっていないなんて。」

「う”っ………そ、それよりも!まさかとは思うけど俺達の部屋にも監視カメラを設置していないだろうな!?」

呆れた表情で溜息を吐いたレンの言葉を聞いてエリィが自分にキスした時の出来事を思い出したロイドは顔を真っ赤にして唸り声を上げたがすぐに気を取り直して無理矢理話を変えた。

「うふふ、さすがに他人のプライベートを犯すような場所には設置していないわよ。」

「と言う事はそれ以外の場所には監視カメラを設置しているって事じゃないか………ハア……後で課長に報告して、監視カメラ設置の許可を貰ってくれよ……勿論許可を貰えなかったら設置した監視カメラは全て君が回収する事。」

「はいはい、わかったわよ。」

「”はい”は一回。―――それよりも今回の脅迫状の事件で君に聞きたい事がある。」

「レンに?何かしら?」

「………”Ms.L”として”(イン)”を雇って”銀”と接した事がある君なら今回
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