第8話
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もし、俺達が大金星を上げることが出来れば……エリィが目指そうとしている事だって決して不可能じゃないか?」
「…………………………」
ロイドに語りかけられたエリィは呆けた表情をし
「もちろん、今回の事件とクロスベル全体の大きな問題は一緒にはできないかもしれない。でも………俺達に必要なのは”壁”を乗り越えるための力だ。こういった小さな”壁”を一つずつ乗り越えていければ………いずれ巨大な”壁”を乗り越えられる力だって手に入れられるんじゃないか?」
「…………………………―――この2ヵ月、一緒にいて何となくわかった。貴方もまた私と違った悩みを抱えている。それなのに……どうしてそんなに前向きでいられるの?」
ロイドの揺るがぬ信念を知ると複雑そうな表情で考え込んだ後、ロイドに訊ねた。
「……俺はそうだな……目指している人がいるから前に進めているのかもしれない。それはそれで……問題なのかもしれないけれど。」
「……そう………でも私は……貴方ほど強くないみたい。少し……疲れちゃった………」
「…………………………」
「……本当は昔のことなんて、話すつもりはなかったの……でも………何だか耐えきれなくなってしまって………このままじゃ、本当にあなたたちの足を引っ張るかもしれない……だったら、いっそ……もう……」
エリィがロイドから視線を逸らして、外の景色を見ながら弱音を吐いたその時
「―――エリィ。」
静かな笑みを浮かべたロイドが片手をエリィの肩に置いた。
「……あ………」
「俺には……俺達にはエリィが必要だ。射撃の腕、交渉センス、政治経済の知識とバランス感覚………この街を相手にするにはどれも必要不可欠だと思うんだ。」
「………で、でも………」
ロイドの話を聞いたエリィは言いよどんだが
「いや……違うな。それも確かにそうだけど、そんな事よりも前に………エリィが側にいてくれたら俺はそれだけで嬉しいんだ。」
「え………」
ロイドのまるで告白のような言葉を聞いて頬を赤らめてロイドを見つめた。
「バラバラな俺達だったけどこの2ヵ月で呼吸も合って来た。忙しい毎日に翻弄されながらも食事当番なんかも決めたりして……お互いの得意分野に関してはもう何も言わずに信頼できるしな。そんな仲間がいるっていうのはそれだけで嬉しいもんじゃないか?」
「………あ……………」
「……俺達は若造だ。世界を甘く見るにも、絶望するにもまだ早すぎる。力を尽くして、やれることをやって何度でも諦めずに挑戦して………それでも駄目なら……その時はみんなで考えればいい。俺は勿論、ランディやティオ、レンもきっと力になってくれる。ああ見えて課長だって色々根回しをしてくれている
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