第十二話 真の友人その四
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二人で帰っていった、告白の後で。龍馬はその告白をした優花の傍にずっといた。そうしてそのうえで共に帰路を進んでいた。
優花は家に帰った、すると。
もう優子がいた、優子は家に帰って来た優花にこう言った。
「濡れてるわね、お風呂入りなさい」
「服は乾かしてだね」
「ええ、そうしないとね」
「どうしようもないわね」
「濡れたよ」
「そうね、ただ」
玄関で傘を収めている弟を迎える中でだ、優子は言った。
「龍馬君に言ったのね」
「わかるんだ」
「濡れてるけれど」
それも相当にだ、しかしというのだ。
「いい顔をしてるから」
「うん、そうだよ」
その通りとだ、優花も答える。
「龍馬に言ったよ」
「そしてだったのね」
「龍馬は龍馬だったよ」
「そうね、あの子はそうした子よ」
優子は弟の言葉に微笑んで返した。
「絶対に貴方の横にいる子よ」
「そうだったよ、僕が思った通りね」
「そうよね、けれどね」
「けれど?」
「龍馬君も目は見たわね」
「前を向いていたけれど」
「濡れてたわね」
こう弟に問うた。
「そうね」
「目もね」
「そうなってたよ」
「貴方もね、けれどね」
「こうした時はだね」
「そうなっていてもいいわ、じゃあ身体が濡れて冷えてるから」
それで、というのだ。
「お風呂入ってあっためてきて」
「それじゃあね」
「私はもう入ったから」
「そうなんだ」
「今日は早く終わってね」
病院の仕事がだ。
「もう入ったの」
「じゃあ次はだね」
「早く入ってそして」
「身体を温めて」
「ゆっくりしなさい、それからね」
風呂に入った後のこともだ、優子は弟に言った。
「お酒もあるから」
「お酒も飲んで」
「それでも温まって、そして」
「そして?」
「ゆっくりとね」
それこそというのだ。
「休むのよ」
「今日は」
「ずっと考えていて疲れていたでしょ」
そのこともあってというのだ。
「だからね」
「ゆっくりと休んで」
「そしてね」
「今日は、だね」
「ゆっくりと寝るのよ、料理とか家事は姉さんがするから」
この日はというのだ。
「安心してね」
「そうしていいの?」
「いいのよ、最近ずっと寝れなかったでしょ」
「うん」
その通りとだ、優花は答えた。
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