暁 〜小説投稿サイト〜
並木道
6部分:第六章
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第六章

16.空の小鳥
 青空に飛んでいる一羽の小鳥

 それを見ていると羨ましくなる

 そのまま自由な空を飛んで

 何処までも何処までも行く

 最後には何があるのかわからないけれど

 それでも最後には何かあるのかな

 その最後を見つける為に飛ぶのは

 小鳥の夢かも知れない

 夢を持つ小鳥が羨ましくなって

 青空を見上げていると

 僕の心も青空を飛んでいた

 
 青空を舞っている一羽の小鳥

 その姿は少し寂しげだった

 一羽で青空を飛んでいて

 そこには誰もいないのだから

 最後まで一羽なのかどうかはわからない

 途中で誰かに出会えるかどうか

 それはわからないけれどそれでも

 青空を飛んでいっている

 小さな身体でも一羽で進み

 青空の青にも負けず

 勇気ある身体を見せてくれて


 夢を持つ小鳥が羨ましくなって

 青空を見上げていると

 僕の心も青空を飛んでいた


17.夢から覚めて
 起きてみると誰もいない  一人だけのベッド

 彼女と一緒にいたのは夢だった

 僕は一人ベッドにいる  ここには彼女はいない

 一人だけでベッドにいる  寂しい白い朝

 何もない空虚な気持ちで一日をはじめる

 ぼんやりとした日常のはじまり

 けれどそれはすぐに終わる

 喧騒が僕を包んでそこに引き込んでくれる

 家を出て学校に行くとそこに彼女がいる

 僕の夢に出て来たことを知らないまま

 
 僕に優しい笑顔を向けてくれる

 学校に行っても一人  友達はいても

 僕の心はそれでも一人きり

 彼女は僕の気持ちに  気付いてもいないから

 だから僕は一人なんだ  楽しさも少し薄いんだ

 彼女は僕のことに気付かず罪な笑顔

 それを僕に見せるだけなんだ

 けれどそれは凄く辛くて

 余計に彼女のことを考えてしまうようになる

 また眠りに入って彼女の姿を見ていても

 起きている時と同じ気持ち


 喧騒が僕を包んでそこに引き込んでくれる

 家を出て学校に行くとそこに彼女がいる

 僕の夢に出て来たことを知らないまま


18.橋の下で
 雨の降る夜の街  橋の下は滲みている

 寒い空気の中で  俺達は火にあたっている

 煙草の煙をたゆらせて

 何をしたいのかわからないまま

 何時だって何かしたい  今だって何かしたい

 そう思いながらいつも生きているけれど

 それが何なのかはわからない

 火が燃える音が聞こえてくるけれど

 それ以外は何も
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