Song of the Fairies
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「い・・・いいよ!!」
「もうガキじゃねぇんだ!!」
ナツさんとグレイさんを湯船から引きずり出そうとするエルザさん。その際俺を捕まえる黒髪の青年の腕から力が抜けたため、すぐさま距離を取る。
「ほっほっほっ。仲間というのはいいもんだのぅ」
「あんた違うでしょうが!!」
「おや?そうか・・・まだ言っとらんかったか」
ウォーロッドさんはお風呂に浸かっている左腕を俺たちに見せる。そこには、俺たちと同じギルドマークが刻まれていた。
「私はメイビスと共に妖精の尻尾をつくった創世期メンバーの一人。君らの大先輩じゃよ」
「「「!!」」」
「な・・・」
「え?」
「マジか・・・」
彼の言葉に全員が驚愕する。エルザさんたちも知らないってことは、本当に初代と同じくらい世代の人ってことなのか?
「おじいさんの昔はいたギルドって・・・」
「妖精の尻尾だったの?」
「そうだったんだ〜!!」
ハッピーたちもこれには驚いている。そいうえばギルドで依頼書が来た時、マスターが俺たちに絶対粗相をするなって言ってたな。あれはイシュガルの四天王だからではなく、ギルドの大先輩だったからなのか。
「というのは・・・」
「冗談なのか!?」
「本当じゃ」
またお得意のジョークなのかと思ったら、今度は本当に本当だったらしい。予想を裏切られたグレイさんは思わず滑っていたが。
「それでウチのナツとグレイとシリルを指名されたのですね」
「うむ。いかにも」
ナツさんの背中を流すエルザさんの言葉にうなずくウォーロッドさん。そういう理由だったのか。適正だけじゃなく、ギルドという点からも最高のメンバーだったわけだ。
「君たちが私の家を訪れた時、ほのかに懐かしいギルドの古木の匂いがした。・・・というのは冗談じゃが」
「冗談なんですか!?」
「話が進みませんね」
お湯をバシャバシャと叩いて上機嫌のウォーロッドさん。よく考えたらウチって何度か建て替えてるんだもんな、古木の匂いなんかするわけないじゃん。
「君たち若き妖精たちに会えて、私は本当に嬉しいのじゃ。
メイビスの唱えた“和”。血より濃い魂の絆で結ばれた魔導士ギルド妖精の尻尾。
その精神は時が流れた今でも君たちの心に受け継がれておる。それは仕事の成否にあらず。君たちを見たときに感じたこと。
かつてメイビスは言った。“仲間”とは言葉だけのものではない。仲間とは心。無条件で信じられる相手」
『どうか私を頼ってください。私もいつか、きっとあなたを頼ることがあるでしょう。
苦しい時も悲しい時も、私が隣についてます。あなたは決して一人じゃない。空に輝く星々
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