Song of the Fairies
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きます」
しょんぼりとしながら彼らに背を向けお風呂に向かうフリをする。ようやく諦めてくれたと勘違いしている二人は、ホッと息をついているのが気配で何となくわかる。
「わかってくれたか」
「あぁ。それがいちば―――」
「なんて・・・」
安心しきったところで振り返り、一気に距離を詰める。そして・・・
「言うわけないでしょ!!」
「うがっ!!」
足を振り上げグレイさんの股間を強打した。
「おま・・・それは・・・」
表現できない痛みに悶絶しているグレイさん。うずくまっている彼の首元を掴み、ナツさんをキッと睨む。
「ナツさんもされたいですか?」
「わかった!!一緒に行くから勘弁してくれ!!」
首をカクカク縦に振り、一緒に入ることを了承してくれたナツさん。それを聞いて思わず笑みを見せると、なぜか彼の頬が赤くなって顔を背けてしまった。
「じゃ、早くいきましょ!!」
「いってて!!引きずらないでくれ!!」
なおも股間を押さえているグレイさんを引っ張ってお風呂へと向かっていく俺。彼に引きずるなと言われたが、生憎彼を持てるほどの力もないので、このままいくしかないのである。
「シリルって・・・あんなに狂暴だったか?」
「留学の後くらいから、すごくキャラが変わった気がするよ」
ナツさんの足元に隠れていたハッピーと後ろで会話しているナツさん。だけど、お風呂に入ることを楽しみにしていた俺には、彼らの言葉など耳に届いていなかった。
「わぁ!!大きいですね!!」
服を脱いで腰にタオルを巻き、ウォーロッドさんに教えてもらった秘湯の前に立つ。そこは自然と同化していて、絶景という言葉がお似合いの場所だった。
「くっ・・・シリルに蹴られたとこがまだ痛ぇ・・・」
タオルで隠しながら痛む箇所を押さえつつこちらにやって来たグレイさん。なんだか申し訳ない気もするけど、意味不明な発言をしてた彼にも責任があるので、謝りませんよ?
「そんなの、舐めれば治りますよ」
「おま・・・意味わかっていってんのか?」
彼の返しに首を傾げる。大した傷じゃない時に舐めれば治るって言うよね?俺の使い方間違ってるかな?
「ヒャッホー!!」
「あいさー!!」
「「うわぁ!!」」
グレイさんと会話していると、その脇を駆け抜けて風呂へと飛び込む二つの影。彼らが勢いよく入ったことで、お湯がしぶきを上げて俺とグレイさんにかかる。
「オオッ!!広いなここ!!」
「あい!!」
ばた足を効かせてお風呂の中を泳ぎ回るナツさんとハッピー。その間もしぶきが後ろの人物たちにかかっていることに気付いてほしい。
「ナツ!!風呂で
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