Song of the Fairies
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
きくなったが、まだワシらより小さいな」
ずいぶんと久しぶりに帰ってきた娘に対し、無難な言葉をかけていく巨人たち。フレアさんはそれに何も答えず、静かに彼らを見上げている。
「外の世界はどうだった?」
「た・・・楽しいことも、辛いこともいっぱい・・・」
指をいじりながらこの村を飛び出した後のことを簡潔に述べるフレアさん。それを聞いた巨人とナツさんは、ニッと笑顔を溢す。
「それはどこにいても同じだ。生きている限りな」
優しい声でそう言う巨人さん。フレアさんはもっと怒られると思っていたのか、呆然としながら彼らを見上げている。
「出ていこうが、戻っていこうが、ここがお前の家だ」
「自由にすればいいさ」
「うむ」
「まぁ・・・しかしなんだ。これだけは言っておかんとな」
一体何を言われるのか、冷や汗を流しながら怯えて待つフレアさん。しかし、そんな彼女の考えとは異なり、巨人たちはこう言った。
「「「「「お帰り!!我らが娘よ!!」」」」」
その言葉を聞いた途端、彼女の目から涙が流れ出した。
「た・・・ただいま・・・」
彼らの温かさに見ていた俺たちも笑顔になる。その夜は、朝になるまで飲んで食べて騒いで、巨人たちと楽しい宴を開いた。その日聞いた、不吉な単語を忘れるくらいに・・・
夢魔の眼・・・ミネルバ・・・滅悪魔導士・・・ゼレフ書の悪魔・・・END・・・そして、冥府の門・・・
翌日・・・
巨人の皆さんに別れを告げた俺たちは、依頼を完了したことをウォーロッドさんに伝えるため、彼の家へと戻っていた。
「プハーッ」
「行きはあっという間だったけど、帰りは大変だね」
「ウォーロッドさんの木の魔法、すごいスピードだったからねぇ」
「何日くらいかかるかな、これ」
山を越え川を越え、谷を越えて2000km離れたウォーロッドさん宅を目指す俺たち。今は崖を登り終えた頂上で休息しているんだけど、彼の魔法がどれだけすごいのか、今になって実感できる。
「そう言うな、これも鍛練のうちだと思え」
「早く戻って、ウォーロッドさんにちゃんと報告しなくちゃね!!」
エルザさんとルーシィさんはこの大変さを全く苦にしていないみたい。エルザさんはともかく、ルーシィさんってそんな人だっけ?
「つーか、報酬ももらわねぇといけねぇしな」
「それが一番大事〜」
岩に座って頬杖をついているグレイさんとセシリーがそう言う。しっかりと完遂したんだから、当然ですよね。
「ルーシィ?何ニヤついてんだ?」
「うわ・・・思い出し笑いだ。怖っ」
村の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ