第5章 汝平和を欲さば戦に備えよ
第44話 撲殺天使
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あれ? ディオドラ・アスタロトとやると聞いていたのですが」
「やつは行方不明になった。まったく、踏み台としてはちょうどよかったんだがな。で、新しい奴が問題でな」
「アザゼル先生の言うとおりね―――サイオラーグ・バアル、彼が次の相手よ」
リアスの発言に部室は騒然となった。
◇
「はい! 二人三脚にイッセー君と参加します!」
紫藤イリナは相変わらず元気だ。うれしいような悲しいような。……敵対したら倒す覚悟はできてるけれど。
しかし兵藤一誠は人気あるなあ。このクラスだけでも一誠狙いの女性徒を数人知っている。はやてお姉さま、とかいいながら恋愛相談してくる。前世も今世も恋人いない経験=年齢なボクにはキツイ。
というか、ボクの理想はお父さんのようなかっこいい男性だ。と、力説したら微笑ましい目で見られた。残念だが、ボクはファザコンじゃない。ボクの理想に合致する相手が世界に一人しかいなかっただけに過ぎない。
「お姉さまは何に参加されますの?」
「うーん、借り物競争かな」
無難な返事をするが、去年の光景がよみがえる。借り物競争に出たら、お題が「眼鏡」だった。なんだ、簡単じゃないか。と思ったのがいけなかった。大声で「眼鏡をかけている人」と呼んだらわらわらと眼鏡女子が駆け寄ってきて収集がつかなくなってしまった。
女性徒の人波にアタックされたのは、いまでもちょっとしたトラウマものだ。レースは、結局、棄権扱いになった。
このとき、松田、元浜、兵藤一誠の変態3人組が羨ましそうな目でみていたな。あんなに仲良かった三人はいまや、女性徒に囲まれる兵藤一誠。親の仇でも見るのかのようににらむつける松田と元浜。どうしで差がついたのか……慢心、環境の違い。
元通り仲良くしたい兵藤一誠にとっては頭の痛い問題だろう。
紫藤イリナと兵藤一誠が幼馴染と知ったクラスメイト(女子+変態)たちの行動が気がかかりだったが、うまく溶け込めているようだ。
あ、嫉妬のあまり松田が紫藤イリナにルパンダイブした。すぐに応戦されて手近にあった金属バットで、ぶっ飛ばされてる。紫藤イリナ……恐ろしい子。
で、当然ボクとも幼馴染だということがバレる。質問攻めになりそうだったボクは、紫藤イリナにその場を任せてさっさと帰った。
昔のことを思い出すのは……辛いから。
次の日登校したら紫藤イリナのあだ名が、『撲殺天使』になっていた。なんでさ。
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