第5章 汝平和を欲さば戦に備えよ
第44話 撲殺天使
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リナの歓迎会をするためだ。
部室にはいつものグレモリー眷属のメンバーに加えて、ソーナ・シトリーたち生徒会のメンバーと顧問のアザゼルの姿があった。
「紫藤イリナさん、貴女の着任を心から歓迎するわ」
にこやかにリアスが音頭をとると、歓迎ムードに包まれる。イリナは天使陣営のサポート役として、この駒王町に常駐することになったらしい。一番の心配事は、かつて敵対したアーシアとの関係だったのだが―――。
「アーシアちゃん、あの時はごめんね!」
「いえ、何も気にしていません……素晴らしい出会いもありましたし」
「久しぶりだな、イリナ、ちょっとはその石頭もよくなったか。そして、私からも改めてアーシアに謝罪しよう」
イリナ、ゼノヴィア、アーシアの三人で抱きつきながら再会を祝い、謝罪し合った。妙なしこりが残らずよかったと、心からリアスは思う。美少女が抱き合うのは絵になるな、と一誠は思っていたら、隣のリアスに足を踏まれた。気に恐ろしくは女の勘である。
その後、しばし歓談となったが、ひたすら主を褒めたたえるイリナの相変わらずの信仰心に一同は不安を覚える。代表してアザゼルが問うた。
「イリナ、お前、『聖書に記されし神』の死亡を知らないのか?」
「……てますよ」
「え?」
「知ってますよおおおおおおおおおおぉおおお! 天にまします我らの父があぁあああああああ――――」
「お、おい、落ち着け」
「はい、落ち着きました」
「えらくあっさり落ち着いたな!?」
「あれは発作のようなものです――――知らされた日には、七日七晩ほど泣きはらしましたから」
信仰心が強いのは知っていたが、やはり周囲はドン引きですぅ、していた。いや、同じ神を信奉していたゼノヴィアは気持ちが分かるらしく、うんうんと頷いていた。
しかし、同じく教会陣営だったアーシアは、全くの無関心だった。疑問に思ったのかイリナはアーシアに詰め寄り――――八神はやて教を布教されそうになった。
どちらの神? が優れているのかという信仰談義になり、イリナとはやてが幼馴染だと知ったアーシアがうらやまけしからん! と地団駄を踏んだりしていた。そんなアーシアの変わり様にイリナは目を疑っていた。
(誰だこいつ)
悪魔に洗脳されているのではないか。と本気で疑っていたイリナだったが、アーシアの話を聞くにつれ、同情的になっていった。八神はやてはかわいそうだな、と。
恋は盲目という。もともと純粋で思い込みやすいアーシアはそれが顕著なのだろう。盲目的に神を信じるイリナは自分を棚に上げて思った。
恋……そう考えて、イリナは無意識に一誠と目があった。慌てて目をそらした。自分でもそれがなぜかわからない。
「八神さんも来
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