Side Story
少女怪盗と仮面の神父 16
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くて罠を張った訳ではないでしょうから。……どうか、貴女を取り巻く総ての方々の行動に目を、言葉に耳を傾け、その内に込められた思いを信じてあげてください」
(罠だったと認めたな。やっぱり、女衆の攻撃は確信犯じゃないか! この、卑怯者め!)
誰の話をしてるのか解っていて、よくもまぁぬけぬけと言えたものだ。
そして、これだけ露骨な態度を見せても退くつもりは無いらしい。
「仕方ないですね。諦めさせるのは諦めます。勿論、村の人達の事は信じてますよ。怪しい誰かさんよりも、ずーっとね」
大袈裟に溜め息を吐いて、アーレストの隣に立つ。
別れの句を告げようと改めて見上げた彼は
「……本当に……そうであれば良いと、心から願っていますよ」
百合の花束を抱えた女神アリアを思わせる眼差しで、ミートリッテを静かに見下ろしていた。
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