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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第213話
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「そ、そう言えばレン姫もオルディーネに止めを刺したのはエリゼ君だって言っていたよな!?」

「何ですって!?」

「な――――オルディーネに止めを刺したのがエリゼ嬢ちゃんだと!?」

エリゼを見つめるエリスの質問とマキアスの言葉を聞いたクロチルダとクロウはそれぞれ驚きの表情で声を上げた。



「……その件については1回戦を乗り越えた時に答えさせて頂きます。―――それより兄様。本当に兄様お一人で挑むおつもりですか?しかも兄様がずっと悩み続けていた”あの力”も使わずに。」

「ああ。エリゼとの戦いは”試練”である前に”兄妹喧嘩”だ。”兄妹喧嘩”に手出しは無用だ。それにエリゼという俺にとっての”真の壁”を越える為にはあの力も使うべきではないし、この後に”最後の試練”が控えているんだからその時に備えて使う訳にはいかない。」

「…………出し惜しみをした事で後悔しても知りませんよ。幾ら相手が兄様とは言え、今回の戦いだけは手加減をする訳にはいきません。」

「――望む所だ。全力で来い。俺も相手がエリゼだからと言って手心を加えず、本気で行く。―――それとエリゼ、”試練”を乗り越えた際の条件―――クロウとクロチルダさんを”紅き翼”に加える事の他にももう一つ条件を加えさせてもらってもいいか?」

「え……どのような条件でしょうか。」

リィンの口から出た予想外の答えにエリゼは戸惑いの表情で問いかけた。



「エリゼ、お前の”試練”を乗り越える事ができた時はお前も俺達の元に来い。――――代わりにもし俺が乗り越える事ができなかった場合は俺は”紅き翼”を抜けてお前と共にオズボーン元宰相との決戦に挑む。俺と契約しているベルフェゴール達の実力を考えれば、メンフィルにとっても俺がリウイ陛下達の部隊に加わる事は利益になるはずだ。」

「ええっ!?」

「リ、リィン!?」

「!!に、兄様……自分の仰っている事を理解しておられるのですか……?」

リィンの出した条件に仲間達が驚いている中エリゼは信じられない表情で問いかけ

「―――ああ。メンフィルでずっと頑張り、俺達を陰から支え続けて来たエリゼを俺達の傍に来させるにはそのくらいのリスクを負う必要がないと、陛下達は納得できないと思う。」

リィンは決意の表情で答えた。



「で、ですが陛下達の許可がなければそのような事は――――」

リィンの答えにエリゼは反論しようとしたが

「―――よかろう。もしエリゼの”試練”を見事乗り越える事ができればエリゼもお主達”紅き翼”に協力させる事をメンフィル皇女にしてメンフィル帝国の次期皇帝たるリフィア・イリーナ・マーシルンの名において確約する事を宣言する。」

「リフィア………」

「……ありがと
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