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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第212話
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誘拐の件で謝罪しに行くつもりよ……」
「クロチルダさん…………」
「リィン君。貴方にとって大切な家族を離れ離れにさせた元凶であるこの私まで救ってくれてありがとう……この恩は一生忘れないわ。」
「そ、そんな。クロチルダさんも俺達にとっては”身内”になるのですから、助けて当然です。」
クロチルダに頭を下げられたエリスは驚き、クロチルダの感謝の言葉にリィンは謙遜し
「……まさかアンタ自身から自分の罪を反省して相手に謝罪する言葉や感謝の言葉が出てくるなんてね。結社が崩壊したショックのあまり性格まで変わったのかしら?」
「もう、セリーヌったら……」
信じられない表情でクロチルダを見つめるセリーヌの言葉を聞いたエマは苦笑していた。
「フッ、まさか”蒼の深淵”がここまで変わるとは驚いたぞ。」
「さすがはマスターですね。」
「フフ、私は大した事はしていないわよ。」
「うむ、さすがは余の妹じゃな!」
「ん。悪い奴を更生させるなんて、プリネは偉いね。」
「もう、エヴリーヌお姉様ったら……私は子供ではありませんよ?」
レーヴェとツーヤ、リフィアに感心されていたプリネはエヴリーヌに頭を撫でられると苦笑しながらエヴリーヌを見つめていた。
「―――それで俺とヴィータに何の用だ?お前らの事だからただ俺達と話したいという理由だけで俺達と面会した訳じゃないだろう?」
「……ああ。クロウ、クロチルダさん。二人に協力して欲しい事があるんだ―――――」
クロウの言葉に頷いたリィンは真剣な表情で二人を見つめ、仲間達と共に事情を説明した。
「会議の後に”空の女神”が説明していた”世界の災厄”―――”ユリス”を取りこんだ”鉄血宰相”と”西ゼムリア同盟”による決戦は端末を通して見ていたから知っていたけど、まさか君達が”空の女神”達と共に”鉄血宰相”との直接対決を挑むなんてね……」
「ったく、敵である俺達まで仲間に加えようとか何を考えていやがるんだよ。”ブレイサーロード”達や”嵐の剣神”達に加えて”空の女神”までいるんだろ?ぶっちゃけ俺達の手をわざわざ借りる必要なんざねぇだろうが。」
事情を聞き終えたクロチルダは驚き、クロウは呆れた表情で指摘した。
「フッ、短期間とは言え彼らと共にいたのならば、彼らの性格もわかっているのではないかい?」
「…………………」
しかしオリヴァルト皇子の問いかけを聞くと複雑そうな表情でリィン達から視線を逸らして黙り込んだ。
「フフン、目くらましのつまりだったんでしょうけど。”Z組”に潜りこんだのだけはアンタの失敗だったみたいね?」
「ああ―――とんだ見込み違いだぜ。まさかここまで祟ってきやがるとはな。
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