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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第210話
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、セリーヌは複雑そうな自身の推測を口にした。
「確かにその可能性も考えられるけどエリスの安全を保障をカイエン公が確約する時、カイエン公は一瞬表情を歪めていたから、あれはクロチルダさんの独断でエリスとアルフィンの安全の保障を確約したんだと思う。下手をすればカイエン公が焦りのあまりエリスに危害を加えてルーファスさんの返還をメンフィルに迫る可能性だってあったのに、クロチルダさんは先にその可能性を潰したという事になる。―――それを考えるとクロチルダさんは根っからの悪人とはとても思えないんだ。」
「リィンさん……」
「”蒼の深淵”の件はそれでいいとしても、クロウが逃亡しない可能性はちゃんとあるんでしょうね?」
リィンの説明にエマは僅かに嬉しそうな表情をし、サラ教官は真剣な表情で尋ねた。
「……自分の故郷が”あんな事”になってしまったんですから、クロウとしても自分の手でオズボーン元宰相を討伐し、故郷を何とかしたいはずです。それを考えるとそんな事はしないと思っています。」
「クロウの故郷―――”ジュライ特区”か……」
リィンの言葉を聞いたジョルジュは重々しい様子を纏って呟き
「それに……―――俺は信じています。俺達の”仲間”が俺達を心から裏切らないって。」
「リィン……」
「全く……お前はどこまでお人好しなんだ?」
「フフ、それがお兄様の良い所ですよ。」
「フッ、もしクロウが逃亡なんて真似をしたら半殺しにしてからメンフィルに引き渡そうじゃないか。」
「もう、アンちゃんったら……」
決意の表情をしたリィンをゲルドは微笑みながら見つめ、呆れているユーシスにセレーネは微笑みながら指摘し、口元に笑みを浮かべるアンゼリカの物騒な発言にトワは冷や汗をかいて苦笑していた。
「その、クレア大尉……先に謝っておきます。―――すみません。クレア大尉にとって色々思う所があるクロウを俺達”Z組”のメンバーに入る事にクレア大尉は反対の上、正直不愉快と思っているかもしれませんけど、それでもあいつもいないとダメなんです。」
「リィン………」
クレア大尉に謝罪するリィンをアリサは心配そうな表情で見つめ
「私の事はどうかお気になさらず。―――それに私も”Z組”の皆さんが再び全員揃い、共に協力し合う所を見たい事は事実です。」
クレア大尉は静かな表情で答えた後優しげな微笑みを浮かべた。
「―――決まりだな。それでどうするんだ?”英雄王”達に頼み込む為に今からリベールのロレント市に行くのか?」
「いえ、まずバリアハートにいるプリネさん達に事情を説明して、リウイ陛下かリフィア殿下と面会できるように頼み込むつもりです。」
トヴァルに問いかけられたリィンは
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