暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
8話
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 ―――『鬼』というのは今でこそあの子に賞賛もしくは畏敬を示すオンリーワンの称号なんだけど、昔はそうではなかったんだよね。昔と言っても1年ちょっと前くらいなんだけども。ちょうど国別対抗戦の予選リーグが終わったくらいだったかな。

 ―――以前はどんな時に使われたんですか? 国別対抗戦での逆転劇から本格的に国内外から『鬼』と呼ばれるようになったのは知っています。

 ―――……元々は忌名みたいなものだったんだよね。あまりの情のなさから、あまりに無慈悲に勝負を終わらせる姿から侮蔑混じりに一部から呼ばれたんだよ。あれは人じゃないってね。

 ―――忌名、ですか。

 ―――そう、大部分の人が知らないことなんだけどね。

 ―――その時、鬼一選手はどのような様子だったんでしょうか?

 ―――あの時、あの子はゲームに、e-Sportsに死に物狂いで戦っていたときだったから表にはあまり出していなかったけど、ホントに容赦なかった。格下だろうが同格だろうか格上でだろうか、容赦なく、心を折るような戦いぶりだったよ。

 ―――あの、鬼一選手がですか?

 ―――……あの予選リーグの時、私も後で知ったんだけど実はハイエナのようなものが混じっていた。ゲームを、e-Sportsを食い物にするようなロクデナシがね。

 ―――そんな人が……。

 ―――国別対抗戦で注目度も賞金周りも凄かったからね。腹ただしいことにそいつ、当時の優勝候補の1人を脅していたんだよ。しかも家族を持ち、子供もいる。その対戦相手がプロだけど子供のあの子だった。

 ―――その試合はどうなったんでしょうか?
 
 ―――そのハイエナ共に鬼一自身も脅されたし暴力も振るわれて大怪我も負った。だけど、鬼一は屈さずそのプレイヤーをねじ伏せた。

 ―――じゃあ、対戦相手の人は……?

 ―――そのあと、運営と警察にタレコミがあって家族も含めて助けられて、そのハイエナ共は軒並み捕まったよ。

 ―――そうですか……。

 ―――でも、その脅されたプレイヤーは引退して業界から姿を消したよ。しょうがないよね、命も脅されたみたいだし。

 ―――鬼一選手はなぜ、そんな状態なのに勝利出来たんでしょうか?

 ―――……鬼一にとってその人よりも、e-Sportsの方が大切だったんだよ。自分の大切な世界が食い物にされそうだったんだ。あの子にとっての救いを壊される、汚されるわけには行かなかったから、だから2度とこんなことをさせないための脅しだよ。

 ―――『ゲームはいつだって戦いであり自身にとって救い』ですか……。

 ―――……そう。その時のプレイスタイルと相まってそれから『鬼』という名が一部から呼ばれるようになった。ある意味当然だよね、下手すれ
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