8話
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そして彼は弾道型の正体も完全には把握していなかったはず。これもまた信じ難いことですが、ブルーティアーズの特徴や弱点を見極めた上でそこから1番可能性の高い答えを弾き出した。
もしミサイルではなかったら?
もし裏をかかれてミサイルのような実弾ではなく同じレーザー武装だったら?
もしそれ以外の武装だったら?
そんな恐怖を彼は考えなかったのだろうか? いや、間違いなく考えていた。あそこまで対策を考え抜く人が恐怖を抱かないはずがない。正解が用意されていない以上必ずどこかで迷いが生まれるのに、だけど彼はなんの迷いもなく飛び込んできた。
どうしたらそんな強さを得ることができたのか?S
カチリ、と手元のマウスをクリックする。
……誰よりも自分を信じ、戦い抜いてきた強い人がそこにいた。
―――月夜 鬼一 現在 14歳 アークキャッツ所属 元プロゲーマー 2人目の男性操縦者。
―――第3回 ワールドリーグの優勝者であり最年少世界王者。そしてe-Sportsの申し子、勝負の『鬼』として尊敬を集めている。
―――国別対抗戦では選ばれた5人の内の1人であり、日本の尖兵として日本の準優勝に多大な貢献をした。
―――圧倒的劣勢の中から、鬼のような執念と他のプロゲーマーから一目置かれるほどの抜群の集中力で数多くの逆転劇を生み出し続けてきた。
―――今の月夜 鬼一からは到底想像できないが、12歳の頃はプロゲーマーの中でも最弱と言われるほどだった。
―――元々将来性を重視され獲得された選手だったが、プロゲーマーになった直後に両親が他界。そのせいか最初の半年は成績が振るわなかった。
そこで私はスクロールさせていた指を止めた。
……両親が他界?
あの方もわたくしと同じく両親を亡くしていた……?
わたくしの両親ももういない。自己で他界した。
母は強く、気高い人だった。今の女尊男卑社会よりも以前から女の身でいくつもの会社を経営し、たくさんの人から尊敬を集めるほど成功を収めた人だった。
そして憧れの人だった。
母が亡くなり、手元には莫大な財産だけが残された。それにたかろうとする金の亡者どもを無くすために、守ろうとするために自分は強くなった。
その一環で受けたIS適正テストで高判定が出た。イギリス政府から国籍保持のために様々な有利な条件が出された。そして、それを受け入れた。
私は『オルコット』の名を守るために、自分の誇りを守るために自分を削り、他人を蹴落とし、戦い続けてきた。寝食を忘れてただひたすらに自分を磨き上げることに全てを注いできた。
遂には第3世代ISのブルーティアーズの第1次運用試験者に選ばれた。稼働データと経験値を得るためにこの国に
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