第42話
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反董卓連合軍の戦いが始まってから五日目、激戦を制して董卓軍を降伏させることに成功。
開戦当初は初日で陥落することも視野に入れられるほどの戦力差だったが、蓋を開けてみれば董卓軍の健闘が目覚しい結果となった。
董卓を捕らえ、降伏を呼び掛けた袁紹は洛陽制圧前に諸侯達と話し合いの場を設けた。
狙いは董卓とその一派の助命。暴政が無かった為に彼女等を廃する必要が無いからだ。
しかし、事は彼の御輿ほど単純では無かった。
暴政が無かったことを認めるということは、自分達連合が掲げていた大義名文の否定。
この事実が明るみになれば、連合は大陸中から批判されることになる。
それならばいっそ董卓に汚名を着せ処断し、洛陽で緘口令を敷き真実を闇に葬れば良い。
袁紹には彼らの考えが方が手に取るようにわかっていた。伊達に薄暗い政戦を生き残ってきたわけではないのだ。
故に諸侯の目を別の者に向けるよう誘導した。その対象は張譲である。
捕らえた商人から、身の安全を保障して聞き出した陰謀を諸侯の前で暴露したのだ。
皆、半信半疑だったが。
『罪は張譲にあり、董卓にはない』
総大将の言葉で矛先を張譲に変えた。確信があるわけではない。彼らにとって真実など二の次、大事なのは連合が正義であることだった。
そして洛陽を制圧後、屋敷に居た張譲を捕縛。
此度の首謀者として処刑した。大変だったのはその後だ。
帝は、連合を恐れた他の十常侍の手により既に脱出していた。洛陽の統治は十常侍達が担っていたが、最後に残っていた張譲はこの世に居ない。洛陽は無政府状態の危機に瀕していた。
暴政が無かった為、相国である董卓に任せるのが無難なはずだったのだが――……。
諸侯が良い顔をしない。彼らの中には嫉妬から董卓を排除しようと考えていた者もいる。
それに、今までの話を信じるなら董卓は陰謀により相国に据えられたのだ。
そんな彼女を、実質大陸bQである相国になど……と、言うのが彼らの主張だ。
又、董卓本人も相国を辞退した。自分が相国を続ければ角が立つ。
いずれ第二、第三の連合が出来るかもしれないとして引き下がった。
さあ、そうなると問題は洛陽と周りの土地の管理なのだが。
話し合いの末、連合の各軍の規模に合わせた土地を割譲する事になった。
最大数を率いていた袁紹が洛陽を統治する事になり、その過程で董卓達を保護する名目を得ることに事に成功した。
終戦から早数週間。信頼できる人材に洛陽の統治を任せ、袁紹達は南皮に戻って来ていた。
洛陽の民達は董卓に統治し続けて欲しいと懇願したが、上記で語られた理由を董卓自らが説明。
後ろ髪を引かれながらも洛陽を後にした
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