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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
47.ロスタイム・ロスト
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もそれなりに動き回れるエリアだ。ここでレベル4相当の戦力が3人に増えれば戦闘も格段に楽になる。そう考えたキャロラインは全体を指揮し、周辺の捜索を開始した。
 ところが19,20階層と探しても痕跡がまるで見つからない。ならばと氷の階段を下りてきたという女性を探すも、そちらも碌に情報が無かった。もしかしたら開けた大穴の位置がどんどん変わっているか、塞がったまま開けられてない可能性があった。

 この調子が続くようならばいったん諦めるべきか――そう誰もが思っていたその日、22階層の探索日に、事態が動き出す。

「………これは、最初のアレとは違う穴だよね?」
「半径2M程度の洞穴……ま、人間が通るには十分すぎる構造だが――こいつ、なんか変だぞ」

 魔物の食堂である「食糧庫」の付近に、それはあった。人間が通るのにちょうどよい大きさの洞穴だ。ただの洞穴ならダンジョン内にもあるが、この穴だけに注目したのにはもちろん理由がある。一番その違いを理解していたのは、奇しくもここに来たく無かったヴェルトールだった。

「こいつは明らかに人工的に掘られたものだ。ダンジョンに通常存在する洞穴に比べて露骨に小さいし、地面を斜め下に突き抜けるような構造の洞穴は俺の知るが限りダンジョンにはない。何より壁面が荒すぎる。ダンジョン内の洞穴の壁はもっとなめらかだ」
『サスガはマスター!!そーいうジューバコのスミをつつくような細かいトコロがカッコいい!!』
『うむ!!その鬱陶しくてみみっちいまでの観察眼とどうでもいい部分に着眼点を置く面倒くささは流石我らが主さまよ!!』
「お前ら気のせいか俺の事けなしてない!?あれ!?俺おまえらの父親にして母親だよね!?」
『つまり「おかま」か?』
「そのボケはもう聞いたッ!そうではなくて俺が言いたいのはだなぁ!」
「あー、そろそろ長くなるから閑話休題で」
「尺を勝手に縮めるなぁッ!!何なの俺の最近のこの扱い!?オーネスト相手に超お気楽キャラやってた頃とのこの扱いの違いは何!?」

 以降の話はバッサリカットするが、ともかく洞穴を見つけたドナ・ウォノ・ヴェルトールは内部調査に入る。どうやらこの洞穴は「人工的に削られたのにダンジョンの自己修復機能が働いていない」らしく、埃の溜まり方から見ても昨日今日で空けられたものではないことは明白だった。

 つまり、この穴を空けた存在と上層の穴の犯人は別人だろう。彫り方が全く違うし、そもそもこっちの穴が塞がっていない理由がまるで不明な時点で明らかに性質が異なる。ただ、元『闇派閥』のユグーによると、ダンジョンの最深部にいる存在から反神の加護を受ければある程度のダンジョン内地形操作が可能になるとのことだ。

「何その恐ろしい情報……ってゆーか何でアンタがそれ知ってんのよ!!」
「俺は闇
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