第7話
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答えを聞いたアーネストはエリィを見つめて考え込んだ後溜息を吐き、そして口元に笑みを浮かべてエリィを見つめた。
「え………」
「……単刀直入に言おう。エリィ………警察を辞めて戻ってこないか?」
「!?」
(なっ……!?)
(おいおい……なんだ、この唐突な問題は。)
(恋愛がらみ……では無さそうですけど。)
(市長を裏切っている癖によくそんな事が言えるものね………狙いは何かしら?そう言えばアーネスト・ライズは昔エリィお姉さんの家庭教師をしていたわね……と言う事は教え子から一人のレディとしてみるようになったエリィお姉さんを自分のものにする為と言った所かしら?)
アーネストの突然の提案にエリィを含めた仲間達が驚いている中冷徹な視線でアーネストを見つめていたレンは考え込んでいた。
「君にも考えがあって警察に入ったのは知っている。だが、そんな疲れた顔をして………子供のように迷った目をして。本当にそれは……君が歩むべき道なのかい?」
「そ、それは……」
「……今の政治状況に絶望を覚えているのもわかる。おそらく警察入りを志望したのもその事が関係しているんだろう。だが、エリィ……少しは市長の苦労と気持ちをわかって差し上げて欲しいんだ。」
「え………」
「来月に記念祭を控え……市長は今、多忙を極めている。記念祭の後は、予算をめぐって帝国派と共和国派双方とやり合わなくてはならない……そして半年後には市長選………市長は引退されるおつもりだが後事を託せそうな候補者もおらず、迷っておられるようだ。君が側にいてくれたらどれほど市長も心強いことか。」
「………………」
アーネストの話を聞いたエリィは疲れた表情で何も返さず黙り込んでいた。
「……すまない。差し出がましい事や酷い事を言って。だが、どうしても見過ごすわけには行かなかった。市長を尊敬する者として……昔から君を見て来た者として。」
「……アーネストさん………」
「もちろん、君の道は君が決めるものではあるが………本当にそれが正しいのか、今一度、考えてみてほしい。」
「……………少し、考えさせてください。みんな、ごめんなさい。……少し疲れたからちょっと自室で休ませて。」
「あ……ああ。」
「エリィさん………」
エリィの頼みにロイドが戸惑いながら頷くとエリィは支援課のビルの中に入って行った。
「―――君達。いきなり済まなかったね。」
エリィがビルの中へ入って行くのを見届けたアーネストは静かな表情でロイド達を見回して謝罪した。
「……いえ、色々と事情がおありのようですし。」
「ま、あんまりお嬢のこといじめないでやってくれよな。」
「………です
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