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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第203話
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セルナート総長はエイドスに続くように頭を下げた。
「……………………フッ、さすがに新興の国家であるクロスベルがゼムリア大陸の多くの人々が崇める存在の言葉を無視するという愚かな事はできんし、威厳やプライドを捨ててまで国を存続させたいというエレボニア皇家の思いを無下にしては俺達クロスベル皇家やクロスベルの”器”が小さいとゼムリア大陸の多くの人々に思われるだろうな。そのような事は俺の”皇”としての”誇り”が許せん。」
「え…………そ、それでは……!」
「クロスベルは情状酌量を認めて頂けるのでしょうか?」
静かな笑みを浮かべて語ったヴァイスの言葉を聞いたアルフィンは明るい表情をし、オリヴァルト皇子は真剣な表情で尋ねた。
「ああ。クロスベルはメンフィルの”戦争回避条約”によって指定され、後にクロスベルに贈与される予定だった領地――――ラマール州全土とノルティア州の”ルーレ市”を始めとしたこちらが指定する一部以外の領地を全てエレボニアに返還する。ノルティア州の4分の3は返還されると思って構わない。」
「あ…………」
「あ、ありがとうございます……!」
「クロスベルの寛大なお心に心から感謝致します。」
ヴァイスの答えを聞いたクローディア姫は明るい表情をし、リィンとクレア大尉はそれぞれ頭を下げて感謝の言葉を述べた。
「更にエレボニアが望むのであればセドリック皇太子の教育にクロスベルも担当する。勿論その際は俺やギュランドロス自身もセドリック皇太子を教育するつもりだ。」
「え……そ、それは本当ですか!?」
ヴァイスの口から出た予想外の申し出に驚いたアルフィンは驚きの表情で尋ねた。
「ああ。後はエレボニアの民達の為に少ないかもしれないが10兆ミラを”寄付”するつもりだ。―――エルミナ、ユーディ。異存はないな?」
「はい。他国の民達を思い、10兆ミラという莫大な大金を寄付する事を決めた陛下の寛大なお心を反対するような愚かな事は致しませんわ。」
「………………私も異存はありません。」
ヴァイスに視線を向けられたユーディットは静かな表情で答え、ヴァイスの予想外の申し出に一瞬判断に迷っていたが新興の国家であるクロスベルに対する他国の印象を少しでも良くする為に必要と判断したエルミナも同意した。
「そのような大金を”寄付”して頂けるのはありがたいが……本当によろしいのでしょうか?」
一方ヴァイスの予想外の申し出に驚いたオリヴァルト皇子は驚きの表情で尋ねた。
「ああ。幸いにもクロスベル帝国が没収したクロイス家の財産が相当溜め込んであってな。メンフィル帝国程ではないが莫大な”国家予算”がクロスベル帝国にはある。10兆ミラ”程度”でもこちらの懐は痛まないか
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