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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第203話
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すとオリヴァルト殿下の即位も容易だと思われるのですが……」

「……確かにヴァイスハイト陛下達の仰っている事にも一理あります。ですが皇帝の権限を一時的に渡す……これが今のエレボニア帝国がメンフィル帝国に対してできる最大の謝罪と誠意の行動なのです。」

ヴァイスやエルミナ、ユーディットの意見に頷いたオリヴァルト皇子は静かな表情で語った。



「…………”取引”と言ったな。仮にメンフィル帝国がエレボニア皇帝の代理を務める件とセドリック皇太子の教育の件を引き受けた場合、エレボニア帝国はなにを”代償”にするつもりだ。」

一方黙って考え込んでいたリウイはオリヴァルト皇子達を見つめて尋ねた。

「”救済条約”の第4項の放棄と”救済条約”を実行した際に相殺されるはずであった”戦争回避条約”の第9項の実行を代償にする所存です。」

「”救済条約”の第4項というと……メンフィル軍に爆撃されたバルヘイム宮の修繕費の7割をメンフィル帝国が負担する件ですな。」

「更に”戦争回避条約”の第9項を実行するという事は……ええっ!?」

「……エレボニアは”帝国”の名を捨てるおつもりなのですか?」

クレア大尉の答えを聞き、アルバート大公に続くように資料にある”戦争回避条約”や”救済条約”のコピーを読み直したクローディア姫はある事に気付いて驚き、アリシア女王は信じられない表情でオリヴァルト皇子達を見つめて尋ねた。



「はい。”百日戦役”や”クロスベル問題”、そして内戦勃発を始めとした多くの不祥事を起こした挙句”国”自身が存亡の危機にまで陥ったエレボニアには”帝国”を名乗る資格はないと判断し、今後は”王国”を名乗るつもりです。」

「――以上がメンフィル帝国とクロスベル帝国にエレボニアの存続を認めて頂き、領地の一部を返還して頂きたい”理由”です。どうか御慈悲をお願いします……!」

オリヴァルト皇子の後に説明をしたアルフィンは頭を深く下げ、アルフィンに続くようにオリヴァルト皇子達も頭を深く下げた。そしてその場は静寂に包まれていたがやがてエイドスがリウイ達とヴァイス達を順番に見回して口を開いた。


「リウイ陛下、リフィア殿下。それにヴァイスハイト陛下。情状酌量を認め、エレボニアが国として存続できるようにする事……私からもお願いします。エレボニアの民達の為に……そしてエレボニアを存続させたいと強く願うエレボニア皇家の方々や貴方達にとって将来親類関係になるリィンさんを始めとした多くの方々の為にも。」

「エイドスさん…………」

エイドス自らがリウイ達に対して嘆願の言葉を口にして頭を下げた事にリィンは驚きの表情でエイドスを見つめ

「………七耀教会も女神と同じ意見です。どうかエレボニアに御慈悲をお願いします。」

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