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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第199話
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れ以上だと思われます。」

ユーディットの推測にクレア大尉が同意している中、ラウラとユーシスは感心した様子でユーディットを見つめ

「フフ、持ち上げすぎですよ。」

二人に感心されたユーディットは苦笑しながら答えた。



「次にノルティア州の件だけど……”ルーレ市”を始めとした”ラインフォルトグループ”の大きな規模の工場がある領土は返還するつもりはないとの事よ。ここまで言えば理由は大体察する事ができるでしょう?」

「……狙いはやはり”ラインフォルトグループ”ですか。」

エリィに問いかけられ、すぐに察しがついたクレア大尉は真剣な表情で推測を口にした。

「はい。言うまでもなく”ラインフォルトグループ”は帝国最大の重工業メーカーにしてゼムリア大陸全土からしても大企業。新興の国家であるクロスベルにとって兵器や武器の量産を含めた様々な面で”ラインフォルトグループ”は喉から手が出る程欲しい企業です。」

「そうなると……どの道ルーレは返還されないからクロスベル領のままなのか……」

「アリサ、大丈夫かな……?」

「…………………………」

エリィの答えを聞いたガイウスは重々しい様子を纏って呟き、アリサを心配しているゲルドの言葉を聞いたリィンは辛そうな表情で黙り込んでいた。



「それとクロスベルが情状酌量を認める余地が残っている理由は先程挙げた件だけでもなく他にもある事をヴァイスハイト陛下は仰っていたわ。」

「他の理由……ですか?一体どのような理由なのでしょうか。」

エリィの言葉が気になったクレア大尉は不思議そうな表情で尋ねた。

「メンフィルと共に二大国を制圧し、自国の領土と化したクロスベル帝国は世間から見れば簒奪者の国として見られていると思うわ。だけど相応の理由があれば滅ぼす予定だった国が存続する事を認め、制圧した領地の一部を返還する事でクロスベル帝国には慈悲深さや寛大な心を持っている事を世間に印象付ける事ができる……―――それがヴァイスハイト陛下の”真の狙い”よ。」

「それは…………」

「あの”鉄血宰相”すらをも超える狡猾さだな。」

(……世界は違えど”簒奪王”と恐れられている一方”賢王”と称えられている所も同じなのですね……)

エリィの答えを聞いたリィンは真剣な表情をし、ユーシスは厳しい表情で呟き、メサイアは複雑そうな表情をし

「……思う所はあるがエレボニアを存続させたい我らにとっては朗報だな。」

「はい。クロスベル、メンフィル共に本気でエレボニアを滅ぼすつもりはなく、納得できる理由さえあれば情状酌量を認め、制圧した領地の一部を返還してくれるつもりがある事がわかっただけでも僥倖です。」

ラウラの言葉に頷いたクレア大尉は静かな表情で答えた。
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