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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第196話
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贈与する事にしたのじゃ。」
「え……レグラムの民達の為、ですか?一体どういう事でしょうか?」
リフィアの答えを聞いたラウラは戸惑いの表情で尋ねた。
「逆に聞くが戦争でレグラムを得た余達メンフィルと”不戦条約”を提唱し、慈悲深い性格で有名なアリシア女王陛下やアリシア女王の跡継ぎであるクローディア姫がいるリベール……民達からすれば普通ならどちらの国に所属したいと思う?」
「!それは…………他にもまだ理由があるような言い方をされていましたが、他の理由は何なのでしょうか?」
リフィアの説明を聞いて目を見開いた後複雑そうな表情で答えを濁していたラウラは続きを促した。
「もう一つの理由はメンフィルとリベールの友好の絆は固く結ばれている事を改めてリベールもそうだが他国に知らしめる為じゃ。」
「メンフィルとリベールの友好の絆は固く結ばれている事を改めて他国に知らしめる為……?」
「一体どういう意味なの?」
リフィアの話の意味がわからなかったガイウスと共に不思議そうな表情をしたゲルドは尋ねた。
「レグラムはクロイツェン州の首都であるバリアハートと隣接している地域です。広大なクロイツェン州の首都と隣接している地域を贈与する……言いかえれば万が一レグラムを獲た国が我が国と戦争になった際真っ先にクロイツェン州の首都であるバリアハートを制圧できる機会を手に入れられるという事です。」
「なっ!?」
「……確かに広大なクロイツェン州の首都が隣接している地域の領有権を持つ他国との関係が悪化し、最悪戦争になる事を考えると普通は首都と接している地域は贈与しませんね。」
「……そしてその地域であるレグラムを贈与する程リベールとは友好な関係である事を内外共に知らしめることができるという訳ですか……」
「…………」
「ラウラ……」
エリゼの話を聞いたリィンが驚いている中クレア大尉とユーシスの推測を聞き複雑そうな表情をしているラウラをガイウスは心配そうな表情で見つめていた。
「リベールには二大国侵攻の件でメンフィルに対する不信感を残してしまったからな。リベールへの”詫び”の意味も込めてレグラムを贈与する事となった。今説明した理由がレグラムをリベールに贈与する全ての理由じゃ。」
「……わざわざ私のような未熟者に教えて頂き、ありがとうございました。レグラムの領主である父上がリベール領となる事を受け入れたのならば父上の娘である私も従う所存です。」
「うむ。それにリベール領となった事でカシウスやエステル達、そしてカシウスの教え子達とも手合わせができる機会があるかもしれぬのだから、”アルゼイド流”にとっても悪い話ではないだろう。」
「フフ、言われてみればそうですね。」
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