96話 因
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
て私はベッドに放り込まれ、あっという間に眠りの世界に引き込まれていった。夢なんて、見なかった。
・・・・
・・・
・・
・
昼。なんか起こされたような記憶があったけどよくわからなかった僕は起き出してきたトウカにめちゃくちゃ怒られて、やっと起こされたのが夢じゃないと知った。
そしてゼシカがトロデーンの国宝の杖と共に消えたことも、城も人も元に戻っていないことも。あぁなんてことだろう。……あれだけ苦労して、あれだけ死にかけて、あれだけいろんな人の強力を得てドルマゲスを倒して僕らは何を得たんだろう。
仲間をひとり失ったみたいなものじゃないか……。あぁでも、連続殺人事件の犯人はこれ以上犠牲者を出すことはない、よね……。
何はともあれ、今はゼシカだ。
あの忌々しい呪いを解く手がかりを見つけることは出来そうにないけど、ゼシカの行方にはアテがあった。宿の人が出ていったゼシカの話を聞いていて、どうやら関所に向かったらしい。
……関所……ね。そういえば「あの杖を持った」ドルマゲスがトラペッタとリーザスを繋ぐ関所をぶち破ってたけど、あれを考えると関所には不吉なイメージしかない。ゼシカが何を思ってどこかに行ったのか分からないけど、関所は流石にぶち破ったりしないとは、思うけど。
昼前まで寝ていたトウカが寝ぼけ眼で起きてきて、猛然と昼ご飯を食べてる横で僕は顔色が何故か普段より良いククールや、不安げなヤンガスと今後のことについて話し合った。
陛下にもこのことはお話しした。そうしたらやっぱり、ゼシカを探すように仰った。もちろん御意にと返事して、今に至る。
……さっきからヤンガスは不安げなのに、ククールの機嫌が妙にいいのが理解出来ないよ……。もちろんククールだってゼシカのことは純粋に心配してるってわかるけど……。
「腹は満たした!出発、しよう!」
僕より食べるトウカがようやく食べ終えて満足そうに言う。
うん、今日も斬り込み隊長は元気そうでなによりだよ。でもまず、砕け散ったトウカの盾を買い直して、トウカの破壊された髪飾りの代わりでも買って守備力を上げてから出発、しよう?
当然、店に連れていってもエンジンのかかったトウカは盾も兜も……余りの鉄兜を売ってもらった……即断即決城下町から飛び出して。多分、魔物を切り刻むまであと十分ってとこ。
……その背中が寂しそうなのは、僕にだってわかった。早くゼシカをみつけよう。そしてなんで黙っていなくなっちゃったのか、聞かないとね。
ゼシカ、トウカといろいろ楽しそうに約束してたのになぁ……。仇討ちをしたら、ドルマゲスを倒したら、あれしようこれしようって。楽しそうに。それ、叶えてないのにね。
城があのままだって分かってても、そんな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ