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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第509話】
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だろ?」

「ぅ……ぐすっ……。 ……す、済まない……。 ……あ、有坂……あ、あり、あり、ありが――」

 有り難うと言いたいのだろうか、或いは蟻でもいるのだろうかと野暮な考えをしつつ、俺は――。


「……良いさ、篠ノ之。 ……ほら、あんまり泣いてたら一夏が起きるし、これ見られたら俺また無意味に殴られそうだし……」

「す、済まない。 ……す、少し取り乱したようだな、私もまだまだだ……」

「……ふっ、まだ俺達高校生だぞ? まだまだも何も、これからだろ?」

「……そ、そうだな。 ……何でだろう、今までは有坂に対して反抗的な気持ちばかり言っていたのだが……今は、何だか素直な……」

「……多分だけどさ、俺達……話し合う事しなかったからだと思う」


 事実、俺も篠ノ之もこうしてちゃんと話をしたことは多分なかったはず。


「……さて、一応見舞いは終わりだ。 明後日までには治るだろうしな。 それに、明日は土曜日だしゆっくり出来るだろう」

「そ、そうだな……うむ」


 うんうんと納得するように頷く篠ノ之、そして――。


「私はもう暫く看病していく。 ……あ、有坂、紅椿の事……また、相談に伺っても、いぃだろうか……?」

「ん、構わないぞ? 余程忙しくなかったらいつでも良いからな。 ……熱、移されるなよ?」

「む、子供扱いするな。 これでも私は武士だ、熱など気合いでどうとでもなる」


 そう言い切る篠ノ之に、苦笑を漏らすと俺は一夏の部屋を出た。

 これがきっかけになってくれれば、俺も悩みが減る。

 何だか心が少し軽くなったように感じた俺は、足取り軽く部屋に戻った。
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