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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第509話】
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見えた。


「あぁ。 とはいえ、いきなりじゃ難しいだろう、とりあえず……上から命令する形じゃなく、自身の相棒だと思って大事にすれば応えてくれるはずだ」

「……本当、か……?」

「……あぁ、もし無理だった場合は別の方法考えてみようぜ」


 そう言う俺に、篠ノ之は――。


「……何故、有坂は……。 酷い言葉を掛ける私に、優しくするのだ……?」


 篠ノ之の言葉に、俺は腕組みしながら答える、これは昔からずっと言ってきた言葉だ。


「……篠ノ之が俺のことを嫌っていたとしても、俺はクラスの仲間を見捨てるつもりはないからな。 篠ノ之は俺に助けを求めてきた、仲間なら当然それに応える。 たとえ嫌われていたとしても、そのスタンスは変えるつもりはないからな、これが」

「…………っ」


 笑顔で俺は手を差し伸べる、篠ノ之はまた驚き、戸惑いを見せた。


「……ぅ……ふ、ぐ……」

「え?」


 みるみる内に表情が崩れていき、その瞳から大粒の涙がこぼれ落ちる篠ノ之、堪えきれずに両手で顔を覆った。

 静かに涙を見せる篠ノ之、熱で魘される一夏、そして俺はそんな篠ノ之を見てただただ戸惑うばかりだった。

 暫くして落ち着きを見せた篠ノ之、静かに口を開く。


「……本当は、嬉しかった……。 ……私に、咎めの言葉を言ってくれる有坂に。 ……周りの皆は、私に気を使い、【篠ノ之束の妹】という立場で近寄ってきたのも知っていた……。 ……だけど、それを認めるのが……怖かった……」


 ぽつりぽつりと呟く篠ノ之。

 俺は篠ノ之の隣へと腰掛け、話を訊いた。


「紅椿の事も、だ。 ……姉に嫌悪しつつ、その立場を利用して……。 わ、わたし、は……い、一夏を守る力が、欲しかった……」

「そっか……」


 また大粒の涙が流れ落ちる、俺はハンカチで篠ノ之を顔を拭った。


「……篠ノ之、俺も結構不器用だけど……お前はもっと不器用だったんだな」

「…………」

「……過ぎた事は変えられない、だけど……これから先を変えていけるのは篠ノ之次第じゃないかな? ……もちろん人間直ぐに変われるかと言われたら難しい。 だけど、変わろうとする意志があるなら……俺は、これが篠ノ之にとってのターニングポイントとなって成長するきっかけになると思う」

「……うん」


 ぼろぼろ落ちる涙を必死に拭う篠ノ之――確かに酷い言われようだったがに俺自身いつまでも前の事を気にしても仕方ないと思う。

 だが、もしこれをきっかけに篠ノ之自身が変わるのであれば――成長するきっかけになるのならば、俺は――。


「ほら、もう泣くなよ篠ノ之。 紅椿の事にしろ自身の事にしろ、これから
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