暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
7話
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 トライアンドエラーを繰り返すことができないため、何が正解で何が不正解なのか分からないので常に思考に迷いが生じてしまう。思考に迷いが生じるということは集中力も欠けることになる。
 なので、本人は集中している状態だと思ってもイマイチ集中できていないことが多い、専用機、自分だけISを獲得することで大量の操縦時間を得ることで本格的にトライアンドエラーを繰り返し長い時間をかけて迷いを無くし、正解不正解を頭と身体で理解するのだ。そうして技術と質の高い集中力を身につけるのだ。

 だけど鬼一は質の高い集中力、いや、集中力に関してはここまで質の高い人間を楯無は1人しか知らない。

 世界最強 ブリュンヒルデ 織斑 千冬

 現役時代の彼女とは様々な面で差があるが、だがこと集中力に関してはその領域に鬼一は確実に足を踏み入れている。

 なぜ、自分よりも年下の男の子がこれだけ迷わずに戦えるのか? なぜここまでの集中力を発揮できるのか?

 そう考えて、楯無は気づく。

 目の前にいる男の子は常識で語れる存在ではないことに。

 総プレイヤー2億人を超えるゲームの世界で僅か14歳で世界王者に上り詰めた鬼であることに。

 楯無は知らないが、鬼一が生業としていた格闘ゲームでは0.1秒を争う世界で自身の考えをまとめ、決断し、即、行動に移さなければならない。迷ってなんていられない。即断即決が基本であり、迷ったらあっという間に敗北になる世界で鬼一は王者にまで上り詰めたのだ。故に考える速度も決断する速度も行動する速度も、ISの学園の中でも教員や代表候補生含めて極めて速く、こと『戦いの舞台』においてはそこに僅かな迷いなんて混ざる余地、いや混ざる時間なんてないのだ。
 そして、舞台では迷わないが鬼一は普段の練習などでは誰よりも迷いを抱えている。何が正しくて何が正しくないのか、鬼一は手探りで限られた時間の中で自分で考え、間違え、その都度勢いではなく冷静に分析をして修正が出来る。そしてたくさんの失敗から正解を導き出す。誰よりも迷い、思考を続け、修正を繰り返し、その都度変化し続けてきた鬼一だからこそ、導き出した答えを疑わずに身を差し出すことができるのだ。

 故に、鬼一は勝敗やそれ以外に、重いモノ、例え命がかかった勝負でも『迷うことはない』

 練習時に誰よりも迷っているからこそ、戦いの場で迷えば負けると誰よりも理解しているからこそ迷わない。

 本来、僅か14歳の少年ならその日の体調や調子に振り回されたり、もしくは外部からの様々な誘惑に取り込まれて集中が出来なかったり、阻害されてしまうものだ。にも関わらず鬼一は極めて高いレベルで集中が出来ている。しかも継続させている。
 鬼一にとって集中とは自分の世界に没頭、もしくは入り込むことだ。
 究
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