暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
7話
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。だが、それでも舐めていたとは言え身を張ってその場に立ったのだ。だからこそ鬼一は怒りを持った。それなのに、なにもしていない。安全な場所から眺めているだけの連中が、 なんでそんな顔をしているんだ?
 戦いのギャラリーなら勝っても負けても、対戦者を讃えて終えるのが礼なのではないか? 
 戦ってすらいない奴が、知ったような顔をしてそんな目をセシリアに向けていることに納得出来なかった。疲れきっていた身体に熱が入る。視界が怒りで点滅する。 
 
 戦いの場を、『勝負』をどれだけ汚せばお前たちは気が済むんだ―――っ!

 鬼一は怒りを隠そうともせずに落ちていた破損寸前の夜叉を拾い、それを―――。

 ―――観客席向けて全力で投げつけた。

 がぁん! とバリアに夜叉が猛スピードでぶつかり、衝撃音がアリーナ内に響いて観客席が衝撃で揺れる。
 怯えるような、怒るような、憎いような、様々な視線がセシリアから鬼一の身に全て集まる。
 
 その視線を無視するように鬼一はセシリアの手を握りスラスターを展開。そのまま引きずるようにピット内に戻った。 

――――――――――――

 ……疲れたな。

 僕はIS学園の更衣室で地面に座り込み、壁に背を預けながらぼんやりとそんなことを考えていた。あの後、ピット内にまでオルコットさんを連れて行って織斑先生に任せて僕はさっさと姿を消した。こんな感情を露わにした自分をあまり見られたくなかったからだ。
 冷水シャワーで身も心も冷やして熱を取って落ち着き、そのまま次の試合が始まるまで休んでいた。

 第2試合 織斑 一夏 VS セシリア・オルコット

 僕の試合が終わってから休憩含めて2時間後に再開される予定らしい。本当は30分後に始めるつもりだったらしいが、僕がオルコットさんのブルーティアーズの装備を破壊したり、装甲のダメージが予想よりも大きかったせいで多めに時間を取ることにしたらしい。
 僕のIS、鬼神は今教員スタッフの皆様に修理してもらっていた。本来なら僕がやらなければいけないのだが、悲しいことに僕が出来るのはエネルギーの弾薬の補給程度なので山田先生に頼んでこのような措置をとってもらっていた。

 ……専用機持ちは自分で整備補給が出来て当然、か。

 はぁ、とため息をつく。
 また勉強しないといけないことが凄い増えたな。いっそのこと、整備を専門にしている人に助けてもらおうかな?
  
 そこまで考えて眼鏡を外しタオルを顔に乗せる。
 第2試合を終えたらそこで今日は終了。第3試合、僕と一夏さんの試合は明日の午前に行われる。移動も正直面倒だったのでモニターのある更衣室でそのまま休んでいたのだ。このまま第2試合を見たら一夏さん対策を考えるつもりだ。

 微温いドリンクに口をつける
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