機動戦艦ナデシコ
1343話
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イルだ。
その速度は通常のミサイルとは比べものにならない程に速く、腕利きのエースパイロトであればまだしも、木星蜥蜴の無人機にどうにか出来るような速度ではない。
それを示すかのように、シロガネのブリッジにある映像モニタにはまっすぐと空気を斬り裂くかのように空を飛んでいるミサイルの姿が映し出されていた。
そうしてミサイルは木星蜥蜴の前衛であるバッタの集団へと向かい……起爆する。
S-11というのは、マブラヴ世界で開発された高性能爆薬で、その威力は戦術核にも匹敵する。
それでいて汚染の心配はないんだから、使いやすい事この上ない。
そんなS-11ミサイルの大爆発が幾つも起こり、敵先陣のバッタは見事なまでに爆発に呑まれ、消えていく。
それは損傷を受けたとか撃破されたとかいうのではなく、文字通りの意味での消滅だ。
爆発の中心部分から離れた場所にいたバッタは、それでもまだ残骸が残っていたが。
木星蜥蜴にとっても、この大威力のミサイル攻撃というのは完全に予想外だったのだろう。
一瞬動きが鈍り……そこにムウがメギロートやシャドウを率いて突っ込んで行く。
S-11ミサイルにより完全に先陣がボロボロになった木星蜥蜴に、ムウの操るアシュセイヴァーの攻撃は対処しようがない。
メギロートがバッタを次々と撃破していくのを横目に、アシュセイヴァーはハルバートランチャーを使ってカトンボのディストーションフィールドを貫いていく。
量産型Wが操るシャドウも、グラビティキャノンでディストーションフィールドを貫き、撃破していく。
重力波砲やビームに対して強い威力を発揮するディストーションフィールドだが、それにも限度があるという事なのだろう。
「アクセル君、そろそろ行った方がいいんじゃない?」
シロガネの映像モニタでその光景を見ていると、美砂がそう声を掛けてくる。
「そうだな、このままだと俺が入手するよりも前に全滅させられてしまうか。じゃあ、行ってくる」
ブリッジにいるメンバーへとそう告げ、足下に影のゲートを作り出して身体を沈めていく。
そうして姿を現したのは、前回と同様にシロガネの装甲。
これもまた前回と同じように、そのまま空中へと向かって飛ぶ。
もし今の俺をこの世界のパイロットが見ていれば、自殺行為だと驚くだろう。
……いや、戦闘機や戦闘ヘリといった機体を出撃させているのを考えれば、もしかしたら見ている奴がいるかもしれないが。
ともあれ、そのまま混沌精霊としての力で空を飛びながら、真っ直ぐに木星蜥蜴の本陣の方へと向かって飛んでいく。
戦場となっている場所では、メギロートとバッタによる戦闘がそこら中で行われている。
まぁ、シャドウミラーと木星蜥蜴の中で最も多い機種なんだから、当然か。
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