機動戦艦ナデシコ
1343話
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の木星に行ってプラントを手に入れた方がいいと思うのだけど」
エザリアが呆れたような表情で告げるが、確かにその言葉は事実だ。だが……
「連合軍の方に俺達をどうにかしようとしている奴がいるんだろ? そっちをある程度油断させる為にも、今は油断させる方がいい」
「暴発させる気?」
「どうだろうな。それがベストなのは事実だけど、それでもさすがにそこまでは……」
そこまで考え、ムネタケがエリナに向かって発砲した事を思い出す。
それも威嚇とかそういう意味ではなく、当てるつもりでだ。
ネルガルの会長秘書という立場にいて、あの当時……というか、今の時点でもナデシコの中では実質的な最高権力者であるエリナを射殺しようとしたのだ。
この世界でのネルガルという企業はかなりの影響力を持っている。
軍事だけではなく、総合商社として色々な場所へと手を伸ばしているのだ。
そんな会社の会長秘書を殺そうものなら、ネルガルと連合軍の関係は致命的なまでに悪化していただろう。
ナデシコ級が是非とも欲しい連合軍としては、まさにネルガルにどうしようもない程の借りを作る事になっていた可能性がある。
幾ら自分達がナデシコで捕虜にされており、連合軍との取引に使われるか、もしくは火星まで連れて行かれると思い込んでいたとしても、軽挙妄動としか言いようがない行為だ。
それを連合軍の将官がやるんだから、色々と問題があるよな。
とにかく、これからナデシコ世界との付き合いが長くなる可能性が高い以上、出来れば連合軍や連合政府とは友好的な関係になりたい。
そうなるには、不穏分子の類は出来るだけ早い内に取り除く必要がある。
こっちが向こうの要請に従っていれば、そのうちそんな奴等もボロを出すだろう。
暴発してくれるのがベストなんだが、そこまで短絡的な行動に出るとは思えないし。
それに、カトンボ、ヤンマ、チューリップを破壊せずに入手出来るというのが嬉しいのも事実なんだよな。
「じゃあ、取りあえず向こうにはOKの返事をしておくわよ?」
「ああ、その方向で頼む」
エザリアが俺の言葉に頷くと、そのまま去って行く。
……さて、これで連合軍はどう動くかな? 出来ればこっちに有利なように動いてくれるのが最善なんだが。
「今回は俺達がメインという事でいいんだな?」
シロガネのブリッジで、ムウの言葉に頷きを返す。
「ああ、連合軍も戦力を出すって話になってるけど、映像としてのインパクトは前回で十分という考えらしい」
「私達を使い勝手のいいコマか何かと勘違いしてるのではないか?」
ナタルの言葉に、美砂が面白そうな笑みを浮かべて口を開く。
「シャドウミラーを自分達のコマだと考えるような人がいるというのは、少
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