1部分:第一章
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れ 仮面は虚しく砕ける
3.春の霧雨
窓を見れば朝から静かに雨が降っていた
静かなのでわからないが確かに降っている
その雨を見ていると何故か物悲しくなり
目が滲んでくるのがわかる
淡い緑の葉につく雨もまた
静かで淡い色に見える それは春の淡さ
淡い春の霧雨は 時間を止めているかのように降り
何時までも何時までも降っている
雨を見ているうちに滲んでいた目は
もう微笑んでいた
微笑むと何故か雨が 優しいものだと気付いた
窓を見れば雨が静かに森を濡らして
しとしとと森の木々や花々を潤していた
その雨を見て涙を滲ませたのはきっと
それが懐かしいからだ
子供の頃の春の雨はいつも
こうした静かで淡い雨 そうして街を濡らした
子供の頃の思い出が 今また瞼の中に思い出されたから
だから僕は涙を感じてしまったのだろう
その滲んだ気持ちを感じながら見て
少しはにかんだよ
はにかむとそこには やはりあの頃の雨がまだあった
雨を見ているうちに滲んでいた目は
もう微笑んでいた
微笑むと何故か雨が 優しいものだと気付いた
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