肆:攻略戦
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なくなっていた。
「おい、どうなってる!」
「師、匠……にみんな……」
「クライン!……実は」
しばらくしてクラインが遅れてやってくる。おそらくセリシールが避けたリザードマンたちも対処してきたのだろう、無事な姿を見て少しほっとするセリシールに風林火山の面子がポンポンと頭をたたく。その間にキリトとアスナがクラインに今までの経緯を簡潔に説明する。
「……なんとかできねぇのかよ……」
「乗り込むにも人数が……」
「……だめ、です……無謀すぎ、ます」
セリシールの言う通り無謀だ。キリトたちが飛び込めば退路ができるか、少なくとも好きは生まれるだろう。しかしそこから全員無事生還するというのは難しい。だが、体勢を立て直したらしいコーバッツの声がさらに響き渡る。
「……全員、突撃ぃぃ!!」
コーバッツの無茶な命令通り動いたのは本人を含め8人。しかし、組織の攻撃として成り立っていなかった。一斉に跳びかかったところで全員が満足する攻撃は繰り出せない、さらに見方を傷つける可能性さえある。ボスは攻撃を気に留めずブレスのような蒼い息を吐く。動ける8人の動きが鈍ったかと思うと、斬馬刀を振り上げそのうちの一人を斬り上げ吹き飛ばす。
「きゃっ!?」
「っ!?」
女性陣の小さな悲鳴とともに、どすん!とキリトたちの前に誰かが落ちた。それは、斬りあげられた人物、コーバッツだった。こちらが確認できるはずのHPゲージが消えている。自分の身に何が起きたかわからない。そんな顔をして、何かを言うように口が動き
コーバッツの体は消滅した。
リーダーの失った軍はすでに烏合の衆ですらなかった。組織としては崩壊し、悲鳴をあげつつ逃げ惑う、全員HPゲージが半分を割り込んでいる。
「……だ、め……だめ、だめ……!!」
「…………アス、ナ……?」
「――っ!」
ぷるぷると絞り出すようにアスナが何かを発す。二人は何かに気付きアスナを止めようとするが一瞬遅かった。持ち前の敏捷を最大限に使い、疾風のように走り出した。
「くっ……アスナ!!」
「おいキリト!……どうとでもなりやがれ!!」
「クライン!……くっそ俺らも行くぞォ!!」
それを追うようにキリトも抜剣し、その後を追う。さらにそれをようにクラインに風林火山が加勢し、走り突撃していく。
「…………」
しかし、セリシールはつられるように飛び込む、ということはしなかった。鞘を持ち、深呼吸しながら柄をしっかりとつかみ、抜刀の姿勢をとる。ヤケになって飛び込んだ場合、タンク役のいないこの現状ではさらに死亡者を増やす結果になる。
「……ッ!!」
キリトがアスナを退けてぎりぎりでかばい攻撃をそらした一瞬のすきに、ズバンッ!と、空気のはじける音とともに、セ
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