暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン《風林火山の女侍》
肆:攻略戦
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と最近ですよね…………惑いました?」
「ぶっ!?せ、セリシールいきなり何を!?ま、惑ってないからな!?」
「あのキリト先生がだぞ?惑ったに決まってる」
「それでもまだまだガキだし、色気に惑ったとしても、先生にしちゃぁ相当な進歩だ」
「成長をこうやって確認できるっつうのが、親の気持ちなんすかねぇ」
「惑ってねーよ!あとお前らに育てられた覚えもねぇ!」

 最初、このゲームが始まったときからは思いもしなった光景。一人は、脱出のために孤独に走り、一人は死に場所を求め、一人は失わないよう集った。
 それが今ではこうして、互いが互いを支えようとしている。誰の力、ではなく全員が全員に作用してできた居場所だろう。
 だから失いたく、失うわけにはいかない。きっと誰もがそう思っているだろう。

「……それならいいですけど」

 その言葉はキリトに向けたのか、はたまた自分に向けたのか。言葉を発したセリシール自身には理解できなかった。



 先立って進んでいった軍を追いかけること30分。途中リザードマンの群れやモンスターの軍隊と遭遇しセリシールたちは一向に軍に追いつくことができていなかった。

「ひょっとして、もう帰ったんじゃねぇ?」
「そーっすよねー、姿形すら見えやしないし」
「ここはいったん帰って情報を連合やらKoBやらと共有してからボス行った方がいいって」

 と、クラインはじめ風林火山の面子からそのような声があがるが、実際には誰も『軍が転移結晶等を使って帰還した』とは感じてはいたが、ここまで音沙汰がないともしかしたらクラインの言葉が当たっているのでは?などと心の隅で思っている者もいないわけではなかった。

「……もう少し、だけ」
「セリーの言う通り。……なんだか嫌な予感がするの」
「あぁ。……ボス部屋前まで行っても損じゃ「ぁぁぁああああぁぁぁ……」……おい、これって」

 キリトの言葉に割り込んでくるように聞こえたそれは、間違いなく悲鳴だった。かすかにだが、モンスターの鳴き声ではないことは全員判断した、ということはプレイヤーが発したもの。

「マジかよぉ!?」
「−−−−ッッ!!」
 その場にいた全員は一斉に顔を見合わせると、聞こえた方向へと一斉に駆け出した。悲鳴が聞こえたということは、軍はこのまま進み最奥でボスへと挑んだのだ。

「………っ、師匠……っ!」

 敏捷パラメータやレベル差のせいでセリシールにキリト、アスナの3人と風林火山の感覚がどんどん広がっていくことに気付きセリシールはブレーキをかけようとした、が

「先に行け、セリシール!俺たちゃ後で追いつく!」
「うちで一番早いの姫が止まってどうする!」
「……――っ、はいっ!!」

 と減速を始めたセリシールにメンバーの声がかけ
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