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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編  第3話「戦備(そなえ)」
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は、武器のような黒い筒が2つ並んで付いている。
それは、明らかに車やバイクではなく戦車みたいだ。
だが、天桐と加埜は、
「・・・うん?」
「なんすか、・・・この小さいの?」
余りいい反応はしなかった。
「CV33、カルロ・ヴェローチェだ。イタリアの豆戦車だよ」
柴田はそう言う。
「これ、ほんとに戦車か?めっちゃ小さいし、大砲も小さいのしかついてねーぞ」
加埜はCV33を手で触ってみた。
「大昔の戦車は大体機関銃程度のものが付いてるのが多かったのさ」
「この戦車、どこで手に入れたんだ?」
「あぁ、こいつはな。2年程前に、ある高校が何台かの戦車をうちに修理で持ってきたんだ。だが、修理費が足りないらしくて1台だけ代金代わりに貰ったんだよ」
そう説明する柴田に天桐は、
「すいません。・・・他にないですか?戦車は」
「あー、・・・ないな」
「・・・」
バタン
天桐と言うビルは一瞬で発破解体され崩れ落ちた。その姿は、加埜に相談した時と同じ、いやそれ以上の酷い状態だ。
「そういや、何で戦車が欲しいんだ?」
柴田に質問され、加埜は天桐から教えてもらったことを軽く説明した。
「なるほど、そう言うことか。」
「あぁ、だからどうしても戦車を手に入れないといけないんだ。」
加埜は一息おいて落ち込んでいる天桐を見た。
「頼む。どうしてもアイツの力になってほしい。」
「うーん、けどなぁ。戦車なんて、・・・・・・あ!」
「ん?」
「一つだけ、いい提案があるんだが」
「提案?」
「戦車が手に入るかもしれない」
その一言により、
「・・・・・・本当ですか!」
天桐ビルは一瞬で半壊まで戻った。
「あぁ、あるところに行けばもしかすると戦車を入手できる可能性がある」
「どこです?どこに行けば戦車が。」
柴田は、袖を引っ張り聞いてくる天桐を
「わ、わかったから教えるから引っ張るな」
と振り解いた。
「・・・アルベルトの館だよ」
「「アルベルト?」」
ガシャン
突然、天桐と加埜の後ろから大きな金属の音がした。
どうやら、誰かがスパナを落としたらしい。
「し、柴田さん。あそこは」
音を作った作業員と思われる人が顔色を少し悪くしながら柴田に言う。
「不味いですよ。あそこに行かせるとか」
別の作業員も同じ顔色で言う。
「あぁ、分かってるよ。けど、もうあそこしかない」
「「?」」
天桐と加埜には何が何なのか、ただ疑問しかなかった。



あれから柴田に地図を渡されある場所に行けと言われた。彼らが教えてくれたアルベルトの館と言う場所へは、バイクで向かった。
30分以上走ると、ある場所が見えた。そこは、山に挟まれ広い畑に民家が数件しか見えない広々とした田舎のような所だ。
「どうだ?」
「確かこの辺に」

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