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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編  第3話「戦備(そなえ)」
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確か戦車みたいのを1台ぐらい見た気がするんだ」
「ホントか?」
「あぁ、確かそうだった」
「え?けど、修理工場だから客のじゃねぇか?」
「分かった」
加埜は右ポケットに手を入れて携帯を取り出した。
「電話して確認するよ。」
そう言い携帯の電話帳を開いて番号を探し、電話を掛ける。「もしもし、俺です。進一です」
加埜がさっそく話す。
「はい、実は」
天桐は両手を合わせて祈るしかなかった。
(頼む。)
そう心で叫んだ。
「はい。それじゃあ明日」
加埜は電話を終えると天桐に顔を向け、右手でグッドをした。


翌日
天桐と加埜は、バイクで二人乗りをして走っていた。
二人は午前中に町から出て関東地区内の内陸側に向かっていった。
海がない山ばかりの方へ進んでいく。
「結構、遠いんだな」
「あぁ、家からこいつで2時間は掛かるからな」
後部座席に座る天桐は運転する加埜にそう聞く。
「半分はいったから、あと1時間も掛からないだろう」
「別にいいけど。少し速くないか?安全運転で頼むぜ」
「あぁ、大丈夫だ。もう点数が半分しかないからな」
「・・・マジで頼むぜ」


あれから50分が経過し、無事に目的地の町についた。
ちょうど昼頃だったので、二人は昼食を摂ることにした。
店を探す途中で、ラーメン屋を見つけたのでそこでラーメンと餃子を食べた。
食事が済むと二人は早速目的地に向かった。
15分後には、ある場所に到着した。
柴田自動車整備工場(しばたじどうしゃせいびこうじょう)と書かれた看板がコンクリートの塀に取り付けられ、中に入れる片引ゲートが開いている。中は、広々とした敷地に3階建て位ある大きな建物などがあった。
「よし、いくぞ」
「お、おう」
天桐はバイクを押す加埜の後ろからついて行く。
「柴田さん」
加埜は片手を挙げてそう言う。
「おう、来たな進一」
工場の中に居た一人の男性は加埜に返事をする。
「こいつが言ってた天桐だよ」
「どうも、はじめました」
「あぁ、いいよそんなに畏まらなくて」
天桐は柴田に挨拶する。
「悪いな、突然」
「ほんとだよ。いきなり、電話して来て何かと思えば。戦車はないかって」
柴田は油で汚れた手袋を外しながら、加埜と話す。
「で。電話で言ってた戦車というのは?」
「おう、こっちだ」
柴田に案内され二人は工場内に入る。
中では、3人の作業員が車やバイクの修理を行っていた。
工場内の奥に入っていくとシートが掛かった物体が見えてきた。
「こいつだ」
(おお、ついに戦車が。)
天桐は心に喜びの声でいっぱいだった。
「いくぞ」
柴田はそういうとシートを剥がす。
中から見えたのは、黄色っぽいカラーリングにキャタピラが2つついた鉄の乗り物だった。
それに
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