第36話 マネーカード
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「!?電話かしら」
カバンから取り出して、液晶画面を見ると『初春さん』と出ていた。
「初春さんからだわ。ちょっといい?」
「はい」
御坂が通話ボタンを押すと初春の声が聞こえてきた。
「あ、御坂さん!すみません。今大丈夫ですか?」
しっかりとこちらの状況を確認するところが流石だ。
「大丈夫よ。どうかしたの?」
「えっと、サソリさんについてなんですけど」
「サソリ?」
「サソリさんと湾内さんて仲が良くないんですか?」
「??」
御坂が電話を耳に当てながら、視線だけを上に向けた。
「湾内さんに届けるべき品物をサソリさんにお願いしたら、露骨に嫌な顔をされたので」
「......ああー、なるほどね」
「喧嘩しているのでしたら、謝らないといけないので」
「その辺は大丈夫よ。サソリは湾内さんが苦手みたいだけど、湾内さんはサソリにメロメロだから。仲が悪いことはないわね」
「そうですか?でも」
「大丈夫よ。なんならあたし達が見に行っておくから」
「分かりましたお願いしますね」
「場所は常盤台中学かしら?」
「そうです......ね。おそらく」
「分かったわ。じゃあ、またね」
「はい」
通話が終わり、切れた携帯電話を少しだけ眺める。
「どうかしました御坂さん?」
佐天が心配そうに御坂に訊いた。
「大した事ないと思うんだけどね。サソリが常盤台中学に行ったらしいわ」
「えっ!?」
「湾内さんに届け物があってね。一応、見て来た方がいいと思うんだけど」
「サソリが湾内さんにですか......なかなか、面白い展開になりそうですね!行きましょう」
佐天が道路の歩道に出ると、能力で冷気を出して靴の底を凍らせる。
すると、スケート靴のように氷が形成されていき、腕を前出して進行方向を少しだけ凍らせた。
凍らせた道路と靴の裏の氷を合わせると、感触を確認するために何回か軽く滑った。
「アイススケート!さあ、御坂さん乗ってください。あたしの能力で一気に常盤台まで」
御坂を背中に乗るように合図を送るが
「いや、走っていくから大丈夫よ」
流石に、この歳(14歳)でおんぶされるのは抵抗が出てしまう。
「結構速いんですよ」
つまらなさそうに口を尖らせた。
「人目があるからね」
御坂と佐天は、ひとまずサソリが向かったとされる常盤台中学校へと向けて移動を開始した。
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