第36話 マネーカード
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け
ねぇし
材料もねぇし
完全にお手上げか
ギシギシとジャッジメントの椅子に身体をふらつかせて従属部分の音を鳴らしている。
「何だコレ?」
サソリの興味の対象が初春の机の上に置かれているマネーカードに移り、手に取り出した。
「マネーカードですよ」
「まねーかーど?」
「これを使ってお買い物が出来ます」
「御坂から渡された物と一緒だな。通貨ってことか?変わった形だな」
「お金じゃないんですけど......ここにお金をチャージしまして使います」
初春の説明にサソリが疑問符を浮かべる。
お金をちゃーじ、チャージ......
「意味が分からんな......要は通貨がこれに封印されているってことか?」
「封印!?そういう訳じゃないんですけど。えっとサソリさんの所ではどんなお金でした」
「ん、両だが」
両!?
円じゃなくて
やはり、戦国時代からタイムスリップしてきたってことかな?
いやでも両が通貨として機能していたのは結構後になってからだった気がします
「ざっくりとした質問をすると......オレは御坂から借りているということで良いか?」
マネーカードについて基本概念は置いといて、サソリはとりあえず自分の現状を確認した。
「そうなりますね。御坂さんならそんなに気にしないと思いますけど」
「ちっ!」
何で舌打ち!?
「そうか......当面は資金調達だな。アイツに借りを作るのが癪だ。なんかあるか?」
「うーん、何かアルバイトをしてみるとかですかね......お店で働いたり、チラシ配ったりと色々ありますよ。ほら求人が結構出てます」
初春がパソコン画面から学園都市内でのアルバイト情報サイトを開いて、サソリに見せた。
「なんか面倒そうなもんばっかりだな......少し考えるか」
サソリがパソコンの前から移動すると、出していた傀儡を箱にしまいだす。
初春がパソコンの求人サイトを閉じると、思い出したかのように手を叩いて机の中から土埃のついた紙袋を出した。
「そうでした。こちらを届けてあげてください」
「ん?」
手渡されたサソリは、持ち上げて確認した。
どこかで見たことがあるような袋だ
「確認してみましたら、常盤台の湾内さんが購入したものみたいですよ」
「湾内!?あっ......」
前に湾内が購入していた水着を思い出した。
あの後に連れ去られて、路地裏に置き去りにされていた物だ。
「しっかり届けてあげてくださいね」
「な、何でオレがそんなことを!」
紙袋を持ったまま、サソリが初春に言った。
「だって私、湾内さんに会ったことをありませんよ。サソリさんは顔見知りらしいのですから良いかと」
「お、オレアイツ苦手なんだが」
苦虫でも噛み
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