第36話 マネーカード
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うひゃあ!サソリさん」
サソリは、昨日の内に病院を退院し、学園都市内部を自由気ままに行動が出来るようになっていた。
よく分からないが担当看護師が自分を褒めて、泣いている所が記憶に新しい。
服装は、もうデフォルトになりつつある暁の外套を身に付けているが、左腕の部分は大きく破れて、所々服としては限界に来ている。
窓を開けて、サソリをジャッジメント本部に入れた。
「サソリさん、どうかしました?」
「いや、お前らにオレの傀儡人形渡しただろう。見せてくれ」
「はあはあ、じぬがと思いまじだわ」
白井が息も絶え絶えに涙声で言った。
机に身体を預けて、身体全体を使って息を整えている。
「人形ですか?それならこちらに」
「ああ」
初春が部屋の隅にある棚からダンボール箱を取り出して、サソリに渡した。
中身はレベルアッパー事件の時にサソリが使っていた『三代目 風影』の傀儡の無残にバラバラになった姿だ。
「何か削るもんあるか?」
「それなら、学校で使う彫刻刀があります」
初春が鞄の中から箱に入った彫刻刀をサソリに向けて差し出した。
サソリは、しばし険しい顔をしたまま彫刻刀を眺めると
「......この際、贅沢は言ってられんか。借りる」
箱を空いているテーブルに置き、椅子に投げ出すように腰掛けると、箱から頭のパーツを取りだして、彫刻刀で少しずつ、慣れた手つきで仕込みが入った場所を開いていく。
一発で綺麗に開ける所もあれば、衝撃により歪んでしまった部分もあり、彫刻刀で削って開かせる。
「ところで住む場所は決まりましたの?」
気道に異物感を感じながら、白井が人形弄りをしているサソリに訊いた。
「まあな」
サソリは一瞥もせずに、作業を進めていく。
「何処ですの?」
「誰もいない建物......なんか屯している連中が居たから追い出したが」
「追い出したんですか!?」
「邪魔だったからな」
この人、当たり前のように言い放ちましたわ
「良いんでしょうか白井さん?」
初春が先輩である白井に話しを伺う。
現在、さりげなく暴力を匂わせる発言があった。
「今の所被害報告はありませんし......はあ、やはり私も一緒に行った方が良かったですわ」
ため息を吐きながら、白井が面倒そうに首を傾けた。
ややお袈裟のように見えた動作だ。
「何でですか?」
「こんな世間知らずのお子様に家探しなんて、最初から無茶ですのよ」
やれやれと、両手を広げて顔を横に軽く振る。
「本当はサソリさんの家を突き止めたいだけだったりしまして」
ギクッ!
白井が動揺して、身体の動きが機械的になりマネーカードを慌ただしく見ていく。
分かりやすいです......
「べべべべべ別にサソリが何処に住もうが関係あり
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