第6話
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の街に……?」
報告を聞いた劇団長は考え込み、リーシャは信じられない表情をした。
「へえ、面白いじゃない。東方人街に伝説と謳われた影のごとき不死の暗殺者か………うーん、いいわね〜!舞台向けのキャラだわ!そうだ!第3幕の白装束のイメージに使えるんじゃないかしら!?」
一方イリアは感心した後、嬉しそうな表情で提案し、その場にいる全員を脱力させた。
「ふう、イリア君……」
「そんな呑気なことを言ってる場合じゃないですよ………」
「………”黒月”という勢力が”銀”という犯罪者を雇っているのは確かなようです。その”銀”がどうしてイリアさんに脅迫状を送ったのかそこまではわかりませんでしたが……」
「どうも、ただの悪戯であるという可能性は低くなってきたみたいです。その、公演を中止するというのは――――」
イリアの呑気な様子に劇団長とリーシャは呆れ、エリィの説明を続けたロイドは提案したが
「あり得ないわね。たとえ劇場の爆破予告があったとしてもあたしたちは舞台から降りたりしない。そうでしょう、劇団長?」
「まあ……そうだね。イリア君ほどではないにせよ、私達は多かれ少なかれ、舞台という魔物に魅入られた人種だ。おそらく、ただの一人としてウチのアーティストたちが出場を辞退することは無いだろう。」
「そ、その……私も新米ですけど同感です。」
イリア達は否定の意思を示した。
「やれやれ……素晴らしきは舞台の亡者たちか。」
「遊撃士や警察にそれぞれ自分達が”プロ”という気持ちがあるようにアーティストにもアーティストの”プロ”としての気持ちがあるのでしょうね。」
イリア達の意思を知ったランディは溜息を吐き、レンは静かな表情で呟いた。
「となると、他の部署に警備などを引き継ぐ形になっても構わないと……?」
「ま、正直うっとうしいけど背に腹は代えられないわね。捜査一課だっけ……どういう人なの、その担当者って。」
「え、えっと……見るからに有能そうというか、エリートといった感じで……」
「実際、相当優秀だとは思います。捜査一課というのは警察でも名実共にエリート集団ですから。あくまで目立たない形で完璧に警備をするかと。」
イリアに尋ねられたロイドは苦笑しながら言葉を選んでいる中、エリィが続きを説明した。
「うげ……勘弁して欲しいわね。でもまあ、客の安全を持ち出されたら、我慢するしかないわね〜。」
警備をする人物達の事を知ったイリアは嫌そうな表情をしたがすぐに気を取り直して溜息を吐いた。
「まあ、我慢してくれたまえ。どうせ君のことだ。舞台に集中し始めたら他のことは一切どうでもよくなるんだろう?」
「失礼ね、客には気を配っているわよ。舞台は
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