第6話
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「ふう……―――今まで気付かれなかったのが不思議なくらいだと思うけど。」
一方エリィは溜息を吐いた後、苦笑しながらロイド達を見つめた。
「い、いや……最初に苗字を聞いた時に引っかかってはいたんだけど。何だか色々あったからすっかり流してたっていうか。いや―――でも確かに面目ないな。」
「まあ、別に気にする事ないわ。祖父が何者であろうと、私には関係のないことだから……」
「え………」
しかしエリィが呟いた言葉を聞いたロイドは呆けた。
「……それより早くイリアさんたちに報告しましょう。面目ないけれど……きちんと引継ぎのことを伝えないと。」
「あ、ああ……そうだな。」
「ところで、そのお嬢のじーさまが何でアルカンシェルに来てたんだ?」
「ああ、そうね……今回の新作は、市の創立記念祭と合わせて公開されるそうだから……その関係の打ち合わせていらっしゃったのかもしれないわね。」
「………………」
ランディの疑問にエリィが答えている中何かが気になっていたレンは真剣な表情で考え込んでいた。その後仲間達と共に劇場に入ったロイド達は受付からイリア達は舞台で練習している事を聞いたので、舞台に向かうと、踊り子のような衣装を着たイリアとリーシャが息を合わせて踊っていた。
〜アルカンシェル〜
「ふう………」
「はあ………」
踊っていた2人が一端踊りを止めて溜息を吐くと拍手が聞こえて来た。
「あら……」
「皆さん……」
「うおおお、最高ッスよ!!」
「す、凄かった……!」
「……じんときました……」
「うふふ、レンも凄く見入ってしまったわ。」
「ふふ、このまま詰めていけば中々のシーンにはなりそうよね。リーシャ、月の姫のターンだけどほんの少しタメを作りましょ。太陽の姫もそれを受けて虚を突かれる演技を入れるから。」
「はいっ……」
興奮している様子のランディたちを見たイリアは微笑んだ後、演技の指導をリーシャにした。
「凄いですね……一つの舞台を作り上げる……それだけのためにここまで………」
「ま、せっかく良くできるんならとことんやるのが筋ってもんでしょ。それよりも……どうしたの、何か進展でもあった?」
「………はい。」
「少々、残念な報告もしなくてはいけませんが……」
「え……」
「ふむ………いいわ。劇団長も呼んで来るからここで話を聞かせてちょうだい。」
疲れた表情で呟いたロイドの話を聞いたリーシャは呆け、イリアは頷いた後、劇団長を呼んできて、ロイド達から報告を受けた。
「”銀”………まさかそんな危険なヤツが……」
「そ、そんな……本当にそんな人がこ
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