暁 〜小説投稿サイト〜
Society Unusual talent
code5 化物
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二度(にたび)三度(さんたび)と日本武尊の拳と雄大の拳が重なる。

何度も繰り返し拳を相殺し続ける。
日本武尊が子供のような無邪気な笑顔で拳を打ち続ける。

「いいぞォ!能力無しでの競り合いで俺と同等の者は初めてだ!力は同等ッ!あとはパフォーマンスか!おもしろいじゃねぇかァ!」

「てめぇ…少しは怯みやがれ」

雄大も日本武尊も強く拳を握り、放つ
またも相殺。
両者、押し返されブレーキを踏むように脚に力を入れて地面を削り、後ろに吹き飛ぶのを阻止する。

日本武尊が獰猛な笑みを浮かべ、地面を蹴って前進する。
雄大は迎撃体制を取り拳に力を溜める。
そして前進する日本武尊を完全に射程内に捉え、力を溜めていた拳を開放するように放つ。
しかし、日本武尊は空を蹴り、後方に上昇。
雄大の拳は目標を捉えきれず、空を殴る

日本武尊は「勝機」と言うように身を翻し、左足でさらに空を踏み切り、右足を伸ばして突っ込んで行った。
雄大の拳も死んではおらず、力に身を任せて地面に拳を直撃させる。
そのまま思いっきり地面の一部を引っぺがして持ち上げた。

「ハハハハハッ!そう来たか!」
一瞬の目隠(ブラインド)、持ち上げられた岩をそのまま蹴りで砕き、地面に着地する。
砂煙が舞い、人影が僅かに映るのを見る。

日本武尊は握った拳を力任せに人影に振るう、空を切り砂埃が少し散る、だが拳に手応えはなく、そこに姿も無い。
そして唐突に日本武尊がバランスを崩して倒れた。

そう、日本武尊が確認した人影は霊遥葵雄大で間違いはなかった。
雄大はわざと相手に姿を晒し、拳を振るわせた。
大きく振るった拳を相殺する気も受け止める気もなく、身体の力を抜き、その場に勢いよく倒れ込むように左手を地面に着いて足を伸ばし円を描くように滑った。
伸ばされた足は技を繰り出した後の無理な体制の日本武尊を転倒させることは容易く、堪らず転がっていく。

そのまま雄大は、左手で軸を取り、速度を殺さずに足を地面に下ろしていく。
左手に力を入れて跳ね、下ろしかけの足に力を入れて躊躇なく地面を踏み込み、速度を殺さないどころか、速度を速めて、自らの身を空に投げる。

空中で体制を大きく変える、左手で狙いを定め右手の拳に力を込める。
日本武尊はまだ受身が取れておれず転がっている状況から体制を直すことが出来ない
その体制から雄大の攻撃を回避できるはずもなく攻撃を黙然に歯を見せて笑った。


一撃

その攻撃の威力は充分すぎた。
クリーンヒットし、地面にめり込んでしまったような大きなクレーターができ、地面は大きくヒビを刻む

雄大は拳を戻して立ち上がり、忌々しいと言うようにしかめ面でその男を見た。
日本武尊は静かに起き上がる。


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