第五章
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「その人達に会えるかも知れないと期待しながらだ」
「そうしてですね」
「水飲んで水浴びして果物買って食って」
「英気を養いますか」
「そうしような」
こう話してだった、一行は街の中で砂漠では夢物語だった楽しみを満喫した。そうして楽しい一日を過ごして。
朝に出発することになったが。
スタッフ達は残念そうにだ、権田原に出発する時に口々に言った。
「あの、トゥアレグ族の人達ですが」
「会えませんでしたね」
「そのことは適いませんでしたね」
「水浴びもして水も飲めて」
「果物も美味しかったですが」
「何しろ遊牧民だからな」
それでとだ、権田原も答える。
「会える時と会えない時があるものだ」
「ですね、定住している人達じゃないですから」
「そこはもう仕方ないですね」
「そのことは諦めてですね」
「今から出発ですね」
「そうしよう」
権田原もスタッフ達に応えてそうしてだった、ガイドの人とも合流して街を出ようとした。だが。
その街の出口、砂漠が先に見えるその場所でだった。一行は。
鮮やかな青い丈の長い、くるぶしまであり袖も広い服を着ている駱駝に乗った青年とすれ違った。袖と裾、胸の部分には金色の刺繍があり裾からは白いズボン、袖からは白いシャツも見える。
首には服よりも濃い青の長いスカーフを巻いていて頭全体を濃い青のターバンで巻いている。スタッフ達はその青年を観てだった。
権田原にだ、こう問うた。
「あの、さっきの人がですか」
「若いイケメンさんですが」
「あの人がですか」
「ひょっとして」
「ああ、あの人がな」
まさにとだ、権田原も答えた。
「トゥアレグ族の人だよ」
「その人ですか」
「教授がお話してくれた」
「その人なんですね」
「そうだ、いい服だろ」
権田原はその青年の服のことも話した。
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