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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十二話 激闘!!第五次イゼルローン攻防戦なのです。その2
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 その第八艦隊司令部内でも動きはあわただしかった。

「わかっております。ご心配なく」

 シトレはそう言うと、傍らに立っていた参謀長、そして次席幕僚のシャロンに目を向けた。

「準備できています」

 参謀長はそう言うと、シャロンにうなずいて見せた。彼女はすぐに自分の席に座ると、驚くべき速さでコンソールパネルを操作し始めた。

「よし、有人艦隊は直ちに散開、所定の場所に退避!!無人艦隊のみ引き続いて攻勢を展開せよ!!揚陸艦はどうか?」
「はっ!偽装した無人揚陸艦のみ展開し、有人の揚陸艦はイゼルローン回廊外縁に急速撤退させております」

 つまりこうである。イゼルローン要塞に殺到していたのは、揚陸艦を含めた艦すべてが無人艦隊のみであり、有人艦隊はトールハンマーの射程からいつでも急速回避できるような地点に展開していた。
(つまりリング状になれるように、という体制である。)
 遠征直前に、シャロン中佐がブラッドレー大将とシトレ中将にひそかに意見具申してきたものであり、その中に無人艦隊をもって敵を、そして味方を欺くべしと書いてあったのだ。
 先にも述べた通り、第八艦隊は首都星ハイネセンを先行出立していた。表向きの目的は哨戒のためであったが、事実は途中途中の惑星基地に約半数の将兵を「守備兵」としておろし、半数を無人艦隊にしていったのである。

 というわけで、第八艦隊のほぼ半数に当たる7000隻はすべて無人艦艇で構成されていた。そのソフトウェアを開発したのも、ほかならぬシャロンである。

 よって、今から派手に飛び散るのはほぼ無人艦だけであり、それによって、敵にはこちらが甚大な損害を受けての撤退というように見せかけ、味方、ことに評議会のメンバーにも、トールハンマーの恐るべき威力を身をもって示すといういわば「パフォーマンス」を行おうというのであった。

「味方艦隊はどうか!?」
「既に司令部直属の艦隊はトールハンマーの射程より離脱!第五、第八、第六、第四艦隊も逐次撤退に入ります!!」
「ようし!!本艦も急速回頭!!全速で引き下がるぞ!!」

 シトレがそう言い、全艦隊に撤退を指示した。

* * * * *

 イゼルローン要塞放棄ブロック動力部内部では、クルムバッハ少佐とその配下に囲まれたラインハルトが一人銃を突きつけられていた。

「私の命を狙う理由は?やはり、ベーネミュンデ侯爵夫人の差し金か」

 つゆほども動揺を見せずにラインハルトが尋ねる。

「そうだ。いや、そうであったが、今は私個人の復讐もあるのでな。散々戦場でコケにされ、無能呼ばわりされたのだからな。お前みたいな『青二才』に」
「事実を言ったまでだ。全体の戦局もわからず、個々の戦闘艦のなすべきところも知らず、まして兵一人の事も考慮
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