めっちゃ天使
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トレジャーハンターたちを討伐した俺たちは、フレアさんからお話を聞くために森の中で見つけた木の切り株に腰かけています。
「私、小さい頃この村にいた」
「どういうこと?だってあんたは普通の・・・」
「これから大きくなるんですか?」
巨人の村に住んでいたフレアさん。しかし、彼女の体の大きさはルーシィさんと同じくらいだ。つまり、巨人というには程遠い。これから村人たちのようなサイズになっていくのかと考えて聞いてみたが、彼女は首を振る。
「ううん。私は普通の人間。この村で育ててもらったの」
どうやら彼女はこの村の人たちに拾われ、育ててもらっていたらしい。それなら、普通の人間であることも納得できる。
「村のみんなは親切にしてくれたけど。でも、私だけみんなと違うのが嫌で、村を出ていったの」
皆さんが普通に接してくれていても、何か違う部分があると疎外感を感じてしまうことがある。彼女の場合、周りから見れば明らかに自分だけ違っているから、相当気にしていたのだろう。
「それまで、自分と同じ大きさの人間、見たことなかった。それが逆に怖くなって・・・私・・・」
「それでレイヴンに入ったの?」
本当は優しい彼女を見て、なぜ大鴉の尻尾なんかに身を置いていたのかルーシィさんは常々気にしていた。だけど、話を聞いていると、徐々にではあるがその理由を理解することができる。
「私、お金稼ぐ方法知らなくて・・・何も知らずに大鴉の尻尾に入った。あのギルドは妖精の尻尾を嫌ってて、悪口とかいっぱい聞かされて・・・でも、私、何もわからなかったから、それが当たり前だと思ってて・・・こんなんになっちゃって・・・」
申し訳なさそうに顔を俯けるフレアさん。だけど、悪いのは彼女じゃない。ただちょっと、運が悪かっただけ。
「気にしなくていいですよ」
「はい。もういいんです。仲直りしましょ」
「うん。ごめんなさい」
俺とウェンディが優しくそう言うが、フレアさんの表情は暗いまま。たぶん大魔闘演武でルーシィさんに汚いことをしてしまったから、罪悪感に苛まれているのだろう。
「ううん。ぜんぜん気にしてないから」
ルーシィさんにそう言われ、少しだけ顔をあげるフレアさん。それを見て話題を戻していく。
「フレアさんが久しぶりに故郷に帰ってきたら、村がこうなってたんですよね?」
「うん」
ウェンディの問いに静かにうなずくフレアさん。
「一人だけ小さい私に、みんなは優しくしてくれた。村の人たちがこんな姿になってるの・・・辛い・・・」
楽しかった昔の記憶を思い出し、目から溢れるものを押さえきれない彼女。彼女の目から溢れた雫が、頬を伝って地面へと落ちる。
「泣
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