2部分:第二章
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た。だがそれは遠くからだ。
母「えっ!?」
娘「おっかあ」
母「ちよ、何処にいるんだい?」
ここで車の音が家の前で止まる。母親はそれを感じてぎょっとした顔になる。そして慌てて扉を開けて家の外へと出る。そこにあの片輪の火に包まれた車がある。その中に白い服を着て長い黒髪を下ろした白い顔の痩せた美女がいる。その手の中に娘を抱いている。
車「この娘は私の姿を見たんだよ」
以後この化け物のことを車と表わす。
母「えっ」
母はそれを聞いて顔をさらに蒼ざめさせる。
母「そんな、嘘だよ」
車「嘘じゃないよ」
車はぞっとする声で述べる。
車「これが何よりの証拠だよ」
ここで手の中に娘が現われる。じっと母親を見ている。
自分の手の中の娘を見せて言って来る。
車「話は聞いてる筈だよ」
車は言う。
車「私の姿を見た人間を連れて行くって。この子は私の姿を見たんだよ」
母「そんな・・・・・・」
車「そういうことだよ、わかったね」
娘「おっかあ」
母「ちよ」
車「この娘は私の子供になるんだよ」
低い、青ざめた声で言う。
車「わかったね」
母「そんな、ちよは私の娘なんだよ」
車に近寄ろうとするが火のせいで近寄れない。
母「ああっ」
車「無駄さ、この火には近寄れないさ」
母「けど」
それでも彼女は諦めない。必死の顔で車に言う。
母「そんなことされたら私だって」
車「見てしまったものは仕方ないのさ」
そう言って話を聞かない。
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