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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
雨夜-レイニーナイト-part4/悲劇の序章
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の棒を取り出す。その男は、その棒を扇風機のようにぶんぶんまわしながら、アンリエッタに襲いくる兵たちを次々と叩きのめしてしまう。
「な、なんだと…」
壁や床にたたきつけられたメイジたちを見て、リッシュモンは驚く。たかが棒術ごときに、自分の護衛を勤めさせていたメイジたちを圧倒するとは。
「おいおいおい、その程度でこのお姫さんを討ち取るつもりだったのか?呆れるぜ」
フードの男がその素顔を見せる。灰色の髪と褐色肌の、少し小柄な少年だった。
「ぐ、グレン!?」
ちょうどリッシュモンの配下の一人と鍔迫り合いをしていたサイトは驚く。
そう、今回アンリエッタの護衛を勤めていたのは、ラグドリアン湖にてウェールズの眠りを見守ってきた、炎の空賊団の用心棒グレンだったのだ。
「グレン、ありがとうございます」
「いいってことよ。ウェールズの未来の嫁さんを傷物になんざさせられねぇからな」
ニカッと笑うグレンに、アンリエッタは少し頬を染めながら「意地悪な方ですね」と笑みを返した。
「ぬぬぅ…何をしておるか!あのような小娘と小僧ごときに!早く殺してしまえ!」
まだ生き残っている、戦闘が続行できる部下たちに向けてリッシュモンは苛立ちを募らせ怒鳴り散らす。
リッシュモンの兵たちは全てがメイジだった。あらかじめ詠唱を完了させていたのか、銃士隊の隊員たちも平民の女性とはいえ、彼らに引けを取らなかった。詠唱よりも早く銃声が鳴り響き、撃たれたメイジたちは信じられないと言っているような絶望の表情を浮かべ、絶命していった。彼らの中にはまだ、魔法を扱えるメイジは平民の使う銃や剣よりも強しと考えていたのだろう。その油断が命取りだった。
さらに、ダメ押しにサイトたちもいる。
「フレイムボール!!」「ウィンディ…アイシクル」
キュルケとタバサ、二人のトライアングルクラスのメイジ二人組の魔法がリッシュモンの兵たちに大やけどや凍傷をが残るほどのダメージを与える。
「エクスプロ―ジョン!」
そしてルイズもまた、魔法でリッシュモンの兵を吹き飛ばす。
「行け!僕のワルキューレ!女王陛下を裏切った逆賊に天誅を下すんだ!」
ギーシュのワルキューレが数体、リッシュモンの兵たちに襲いくる。しかし、まだ未熟なせいか、最初こそ兵たちを足止めするくらいの善戦を見せたワルキューレたちを砕かれてしまうこともあった。
「ドットメイジの小僧ごときが…!死ね!」
「う、うわ…!」
その兵の剣がギーシュに振り下ろされかけたときだった。
「ウィンドブレイク!!」
バァン!!と一発の風の衝撃が起こり、ギーシュを殺しにかかった兵は吹き飛ばされた。
「しっかりしろギーシュ!」
「うぅ…」
今の魔法はレイナールのものだった。彼に一喝され、ギーシュは少し気落ちする。まだまだ修行が足りないと痛感した。


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