雨夜-レイニーナイト-part4/悲劇の序章
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した。
「ミシェル…やはり」
アンリエッタは、銃士隊にまでスパイを潜り込ませていたリッシュモンの用意周到さに、彼の狡猾さを痛感した。
「今度はあなたを人質にとり、アルビオンへの亡命切符とさせていただく。少々予定が狂わされましたが、わしの喜劇は大団円で終わるのです」
ニタッと笑うリッシュモン。でも、怯むわけにいかない。
「あいにく…私はこのような猿芝居ではなく、悲劇が好みなのです」
アンリエッタが立つと同時に、彼女の周囲にいた、客に変装していた銃士隊の隊員たちが剣を取って立ち上がった。
「陛下をお守りしろ!」
「「「「はっ!」」」」
「アンリエッタを斬れ!」
「「「はっ!」」」
銃士隊とリッシュモンの兵士の交戦が始まった。
「姫様!」
「ギーシュ、デルフを投げてくれ!」
もはやここまで来ては、舞台などやっている場合ではなかった。ルイズも常備していた杖を取り、サイトは舞台裏にいる仲間に向けて叫ぶ。わかった!との叫び声でギーシュがサイトにデルフを投げ渡す。
「平賀君…!」
ルイズは詠唱を開始、サイトは舞台から飛び降りて銃士隊たちの加勢に入った。ハルナは舞台裏からそれを見送るしかできなかった。
「どうやら、やっと私たちの出番みたいね。行きましょう、タバサ」
「(…こく)」
だが参戦するのはサイトたちだけじゃない。無頼裏に控えていたキュルケやタバサも杖を手に取ってさっそく詠唱を開始した。
「ちょっと、これはいったい…」
不測の事態に、ウェザリーは混乱しているようだ。自分の劇の途中で、まさか女王と高等法院長の争いが始まるとは。
「ウェザリー、あなたはハルナや妖精亭たちの皆と一緒に下がっていてください!マリコルヌ、彼女たちを頼む!」
「ま、待ってくれよ!」
慌てるマリコリヌだが、結局置いてけぼりにされてしまい、やむなく舞台裏の妖精さんたちやウェザリーたちの警護に回された。
「サイト、僕も加勢するぞ。モンモランシー、君はここで」
「ギーシュ!」
ギーシュもまたモンモランシーに一言声をかけたのち、戦いに参戦するのだった。
「お覚悟、陛下!」
リッシュモンの兵の一人となったミシェルが、アンリエッタに向けて杖を振り下ろしてきた。奴の杖はレイピアの形状を取っており、魔法『ブレイド』を使って剣と同じ用途が可能となっていた。これがアンリエッタに当たれば、彼女の体は切り裂かれてしまう。
だが彼女は身構えはしたが動じなかった。直後に、彼女を守るべく、一つの影がミシェルに向けて飛んできて、彼女を蹴飛ばした。
「だあありゃああ!!」
「な…がは!?」
客席に激突するミシェル。彼女と入れ替わるように、新たなメイジたちがアンリエッタの首を取ろうとするが、彼女の前にさっきミシェルを蹴飛ばした人影が現れ懐から一本
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